くらし 語ろう人権 家庭で地域で 平和と人権~未来への願い

■戦争の記憶を刻もう
昨年、日本原水爆被害者団体協議会が、核兵器廃絶への長年の取り組みからノーベル平和賞を受賞しました。平和と人権への関心が高まっています。
広島と長崎に原爆が投下されてから80年という節目の年を迎える中、当時を知る人々が少しずつ減ってきています。貴重な体験を未来へとつなげていかなければなりません。

■戦争がもたらした心の傷は今も
戦争の記憶を語ることは過去の痛みや悲しみを振り返る厳しい作業です。今もなお、多くの人々が心理的な苦痛に苦しんでいます。
中には生きていくために、当時の記憶を喪失している人もいます。
また、戦争から帰還した復員兵の中には、人格が一変し、アルコール依存やDV、虐待といった社会問題につながったと指摘する専門家も少なくありません。

■被爆者らの声に耳を傾けて
戦争の恐怖を知る体験者の声は、未来を作る貴重な証言です。知ることができなければ、結果として未来の子どもたちに同じ悲劇を繰り返させることにつながりかねません。体験者の言葉にしっかりと耳を傾けることが求められています。
現在、世界で戦争や核兵器の脅威は消えていません。もし今、核兵器が使用されれば、その破壊力は当時の比ではなく、無数の命が失われることになるでしょう。また、環境への影響も計り知れず、私たちの文明そのものが脅かされる危険性があります。この現実を前にして、私たち日本人が経験した悲しみを無駄にしてはなりません。憎しみを乗り越え、全人類共通の課題として向き合いましょう。

■次世代へ平和のメッセージを伝える
区では、次世代に平和と人権の大切さを伝えるため、被爆体験記録集を区ウェブサイトに掲載したり、平和記念式典、小・中学生による平和の特派員事業を行ったりしています。今年は節目の年を迎えるにあたり、さらなる拡充を図ります。

問合せ:人権政策課
【電話】5722-9214【FAX】5722-9469