子育て 新しい学びへの第一歩を、青山キャンパスから。(2)

◆誰もが安心して集い、学べる、「社会に開かれた学校」へ
◇複数の学校の子どもたちが同じキャンパスで過ごすにあたって、工夫や配慮をしている点を教えてください。
平岩:同じ区立の中学校でも、学校ごとに特色がありますので、教室は少し離れた場所に配置し、授業や行事は学校単位で進められるようにしています。一方で、休み時間や放課後はグラウンドや共有スペースを自由に使えるため、両校の生徒同士の交流は自然と増えているようです。また、職員室はガラス張りで座席が固定されていないため、非常に話しやすい雰囲気になっています。実際、このキャンパスに来てから、先生同士だけではなく、先生と生徒が立ち話をしている場面をよく見かけるようになりました。小・中学校の9年間のつながりを体感できることも、青山キャンパスのメリットの一つだと考えています。

◇青山キャンパスでは、通学に関する支援もあるそうですね。
平岩:はい。区では、生徒の安全な通学を支援するため、スクールバスの運行や交通費の補助、自転車通学の許可など、各校の通学区域に応じた施策を実施しています。来年度に移転予定の神南小学校の通学支援策についても、現在検討しているところです。

◇防災面や校舎の地域利用については、どのようにお考えですか?
平岩:区は、青山キャンパスが地域の防災拠点となることを想定して設計しています。ただ、有事の際に全くなじみのないキャンパスに避難するのは不安もあると思いますので、日頃から地域の皆さんが学校を気軽に利用できる機会を増やしていきたいと考えています。改めて考えてみると、学校というのは、スポーツやカルチャーなど、やりたいことに何でも挑戦できる環境なんですよね。授業のない夜間や休日を活用して、地域の皆さんがクラブ活動を楽しむなど、子どもだけではなく、大人にとっても学びの場になることが、『未来の学校』の一つの姿になるのではないでしょうか。

◇区民の皆さんにメッセージをお願いします。
平岩:青山キャンパスのテーマは「チャレンジ」です。先生や子どもたち、そして地域の皆さんにも、一歩を踏み出してさまざまなことに挑戦してもらいたいと思っています。成功も失敗もあると思いますが、そこで得た知識や経験は、これからの学校づくりや人生にきっと生かすことができるはずです。このプロジェクトは、20年にわたる長期的な取り組みになりますので、応援していただけたらうれしいです。

◇渋谷区に住む子どもたちにメッセージをお願いします。
平岩:『未来の学校』プロジェクトでは、ワクワクしながら興味のあることを学び、深められる、毎日通うことが楽しみになる学校を目指しています。この青山キャンパスから日本中にそんな学校が広がっていったらすてきですよね。皆さんには、「自分も『未来の学校』づくりの一員なんだ」という気持ちを持って、通ってもらえたらうれしいです。「みんな」が主役になれる学校を、「みんな」でつくっていきましょう!

《「渋谷のラジオ」で放送中!》
平岩さんへのインタビューは10月21・28日に「渋谷の星」で放送します。

■未来を生きる子どもを育む 未来の学校
青山キャンパス
渋谷区立の小・中学校の校舎建て替え期間中に使用する仮設校舎です。今後、建て替えを予定している小・中学校5校が順次使用します。
開校日:9月1日
所在地:神宮前5-53-18
構造:3階建て 鉄骨造

◇『未来の学校』プロジェクト
区では現在、これから区が目指す学校の将来像を『未来の学校』と銘打ち、学校の建て替えというハード面と探究する学びや教育DXなどのソフト面の両面から、『未来の学校』プロジェクトを進めています。青山キャンパスや『未来の学校』での先進的な学び・取り組みについて詳しくは、区ポータルを確認してください。

問合せ:教育政策課学校施設整備第1・2・3係
【電話】03-3463-2795【FAX】03-5458-4951