文化 くにたちが誇る伝統芸能 谷保天満宮獅子舞 国立市指定無形民俗文化財
- 1/24
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都国立市
- 広報紙名 : 市報くにたち 令和7年7月20日号(第1394号)
谷保(やぼ)天満宮獅子舞は、遠い昔より脈々と受け継がれてきた秋の年中行事で、四季の移ろいを感じさせてくれます。さまざまな伝統行事が古老(ころう)の思い出のなかにのみ残存し、その多くが過去形で語られる現代において、今もなお続く谷保天満宮獅子舞は季節感と文化的な潤い、そして地域の記憶を伝える貴重な文化財です。国立市民の財産として、未来へつないでいきます。
問合せ:生涯学習課社会教育・文化芸術係
◆国立市指定無形民俗文化財 谷保天満宮獅子舞とは
村上天皇時代の天暦(てんりゃく)年間(947年~957年)に都(みやこ)から伝えられたものという伝承を持ち、地域の人々に大切に守られてきた民俗芸能です。東日本に広く分布し、中世末から江戸時代初期に発達し広まったとされる三匹獅子舞系の獅子舞に分類され、舞い方、笛や謡(うた)などに古式が伝えられていることから、昭和46年6月1日に国立市指定無形民俗文化財として指定されました。
◆谷保天満宮獅子舞保存会 北島会長に伺いました
谷保天満宮獅子舞は、秋の谷保天満宮例大祭に毎年奉納しています。時代の変遷とともに生活スタイルも変わるなか、続けたいという一心で勇壮かつ華やかな獅子舞を継承してまいりました。舞人も随時募集しています。
ぜひ、本番の迫力を現地でご覧ください。
◆郷土文化館学芸員による見どころ紹介!
◇獅子頭(がしら)にもご注目!
宵宮(よみや)(本祭の前夜)では、郷土文化館で展示している昭和につくられた獅子頭を被って舞が行われます。本祭では、谷保天満宮の宝物殿に保管している、文化12(1815)年につくられた獅子頭を被って舞が奉納されます。塗り重ねられた漆の色は美しく、舞とともに獅子頭が大切に守り伝えられてきたことがわかります。
今年は、9月27日(土)・28日(日)の谷保天満宮例大祭で舞います。
◇困難を乗り越えて続けてきた獅子舞
コロナ禍には祭りが中止となり、獅子舞の奉納が行われない年がありましたが、それ以前にも災害や恐慌、戦争などで祭りを行えず獅子舞が中止された時がありました。戦後間もない昭和20年秋には、GHQ民間情報教育局(CIE)が各地の神社を視察しました。谷保天満宮もその一つだったようで、この際には久々に獅子舞が奉納されたという話も残っています。
◇貴重な文化財の継承
獅子の舞人は、はじめに雌獅子(めじし)役、次に小頭(こがしら)、大頭(おおかしら)をそれぞれ4年~5年務めます。さらに獅子役を終えた後は、新たに獅子となった若い舞人の指導にあたり、その舞人が大頭を務め終わるまで先生役となります。かつて舞人は下谷保(しもやぼ)・坂下地域の青年が担っていましたが、現在は他の地域からも輩出されています。近年では、女性も保存会に加わるなど、伝統を大切に守りつつ時代に合わせた継承活動を行っています。
◆獅子舞稽古の見学できます 舞人募集中!
稽古は月1回(毎月第3土曜日午後8時から)、谷保天満宮の参集殿にて行っており、一般公開しています。また、活動に参加できる方はお住まいの地域に関わらず、ぜひ、お越しください。詳細は、問合せまでお問い合わせください。
問合せ:生涯学習課社会教育・文化芸術係