- 発行日 :
- 自治体名 : 東京都大島町
- 広報紙名 : 広報おおしま 令和7年10月号
大島の自然や文化、身近な魅力に迫ります。
■後世に繋ぐ―災害経験や教訓を未来へ―
2013年伊豆大島土砂災害から、今年で12年を迎えます。復興が進み、穏やかな日常が戻る喜びの一方で、甚大な被害をもたらした災害の爪痕は少しずつ姿を消していきます。悲しい出来事を繰り返さないために、災害の経験や教訓を後世に伝え続ける「災害伝承」はとても大切な取り組みの1つです(本紙写真1・2)。
災害伝承の方法は様々あり、石碑や遺構の他、地名として表すことで、その土地の特性や過去の出来事を伝える地域もあります。中でも、実際に災害を経験された方や災害対応に当たられた方のお話しを聞くことは、災害を経験していない子ども達や島を訪れる人達にとって、大変貴重な機会となります。その経験から災害の辛さや苦しさへの理解がすすみ、「決して他人ごとではない、自分にも起こり得るものだ」と捉えられるようになることは、災害伝承が次へと繋がる大きな一歩となります。
現在、災害で崩れた跡がくっきりと残る外輪山の山肌も、いずれは再生し、森へと成長していきます。「50年後100年後、その先を生きる人達へ、伊豆大島火山の特性や過去の災害をどのように伝え、繋いでいけば良いのか」これを考え、行動することが、今を生きる私達に与えられた役目なのだと感じます。
〔伊豆大島ジオパーク推進委員会事務局〕