文化 【特集】カワサキから世界へ

パリ2024オリンピックでも話題となったブレイキンなどのストリートカルチャーや、スケートボードなどのエクストリームスポーツ(スピードや高さを追求し、華麗な離れ業を競い合うスポーツまたはアクションの総称)。市では、これらを「若者文化」と呼び、挑戦する若者を応援しています。今回は、市で育まれてきた若者文化が発展する様子を、7月に市内で開催されるジャンプロープの世界選手権大会の魅力とともに紹介します。

■川崎と「若者文化」
History
記憶に新しいパリ2024オリピックで、ブレイキン(ブレイクダンス)が正式種目として採用されるなど、ストリートカルチャーが世間に浸透しつつあります。川崎市でも、市にゆかりのあるShigekixさんやAMIさんがブレイキンで活躍している他、さまざまなジャンルのトッププレーヤーを世界に輩出しています。
その背景には1990年代以降、市内各所で若者がダンスの練習をしたり、技を競い合ったりするなど、さまざまなストリートカルチャーが育まれてきたことや、先駆者たちがその普及に尽力してきたことがあります。市では、これらのものを若者文化として捉え、イベントの開催や施設の整備などを通じて今日までその発展を応援してきました。

・AMIさん
Profile
埼玉県出身。姉の影響でブレイキンを始め、学生時代からブレイキンの聖地溝の口で腕を磨く。2018年のRed Bull BC Oneで初代女王に。パリ2024オリンピックでは見事金メダルを獲得した。

◆ブレイキン
ダンサーが、ヒップホップの楽曲に合わせてアクロバティックに踊るダンス
武蔵溝ノ口駅前は「ブレイキンの聖地」と呼ばれ、昔から多くのダンサーが練習を実施
ShigekixさんやAMIさんなど、多くの選手が川崎を拠点に世界で活躍

◆世界で活躍する若者たち
・Shigekixさん
Profile
大阪府出身。高校卒業後に川崎市に拠点を移す。世界最高峰の大会Red Bull BC Oneを史上最年少で優勝するなど50回以上の国際大会での優勝経験を誇り、パリ2024オリンピックでは開会式、閉会式の旗手を務めた。市内をはじめ、全国で子どもたちを対象とした体験会を開くなど、ブレイキンの普及にも取り組んでいる。

Shigekixさん
川崎には、挑戦する人にとって新しい一歩を踏み出しやすい、背中を押してもらえるような空気、環境があると感じています。
競技者として、自分たちの取り組みを知ってもらう、触れ合える機会を市がつくろうと考えてくれていることがとてもうれしいです。
ブレイキン業界では、「世界のカワサキ」と言われるほど、川崎というまちは強い存在感を放っています。自分たちの信じる活動を自由にできているのは、行政のサポートはもちろんですが、地域の皆さんに見守っていただける環境があってこそだと思っています。

◆まちなかで見かけるこれも若者文化
▽BMX
自転車でスピードや技術を競うスポーツ。川崎在住のスーパー中学生の神保虎之介さんも国内で活躍中。

▽ミューラルアート
市内各所でみられます
許可を得たうえで、スプレーなどを用いて公共の場に描かれるアート。紙面の写真は市内在住のアーティストによって川崎駅付近の歩道橋下に描かれた作品。

▽スケートボード(スケボー)
東京2020オリンピックから、競技種目に採用されるなど、若者に人気のあるエクストリームスポーツ。市内各所に体験できる場所が。

◆若者文化の裾野を広げる取り組み
市では、若者文化の魅力を高め、より多くの人に知ってもらうために、さまざまなイベントを行ってきました。

▽INTERNATIONAL STREET FESTIVAL KAWASAKI(ISF)
2018年から毎年川崎で開催されているストリートカルチャーの祭典。
日本におけるブレイクダンス初の国際大会ブランド「SUPER BREAK」や、世界で活躍するアーティストのライブペイント「Graffiti Live Paint」などのコンテンツがめじろ押しの大規模イベント。
ISF YouTubeチャンネルは紙面の二次元コードから

▽若者文化 体験会
2020年から若者文化の認知度向上などを目的にブレイキンやBMXをはじめとした体験会を実施。

市の若者文化推進担当者
大会の開催支援や体験会に関わる業務を担当しています。多くの選手が川崎から世界に!市も全力で若者文化を応援しています。

◆川崎には若者のチャレンジを応援する場所が!
市では、若者文化に気軽に触れることができる環境を整えており、市内には関連施設が点在しています。

▽カワサキ文化会館(川崎区)
9月に移設予定

▽カワノバ(多摩区)

詳細は各施設のホームページで

▽カワサキ文化会館 利用者の声
竹山さん
アニメを見て、興味を持ったことがきっかけでスケボーを始め、今は市外からカワサキ文化会館に通っています。技が成功したときに先生が褒めてくれることが教室に通う楽しみになっています。

大久保さん
近所の友達がスケボーをやっているのを見て、教室に通い始めました。オリンピックに出ることが目標です。