- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県小田原市
- 広報紙名 : 広報小田原 令和7年11月号 第1279号
薬と同じように、医師が運動の内容を処方する仕組み、それが「運動処方」です。市では、小田原医師会や常葉大学と連携し、民間の運動施設で、体の状態に合った適切な運動ができるよう、検討を開始します。
◆運動を薬に見立てて
健康づくりには運動習慣が大切だと分かっていても「何から始めればいいのか分からない」「自己流でやってみたが長続きしない」「持病があるので運動するのは心配」という声を多く耳にします。
「運動処方」は、健康スポーツ医(日本医師会が認定する専門医師)が一人一人の体力や健康状態に応じて、運動の内容や強度を「処方箋」として示す仕組みです。薬の処方と似ており、医学的な根拠に基づき、安全かつ効果的に運動を取り入れることができます。
例えば、メタボリック症候群の予備群の人や、生活習慣病のリスクを抱えた人の予防や改善、体力の向上、メンタルヘルスの改善などに役立つとされています。
《薬と運動の処方箋の仕組み》
〈薬の処方〉
医療機関
↓
処方箋
↓
薬剤師
〈運動の処方〉
医療機関(健康スポーツ医)
↓
運動処方箋
↓
健康運動指導士
《特定健康診査におけるメタボリック症候群の判定結果》
受診者数7582人(令和5年度)
基準該当1493人(受診者の約20%)
予備群該当842人(受診者の約11%)
運動処方箋が推奨される対象
受診者の約30%がメタボリック症候群またはその予備群に該当
非該当5242人
不明5人
・運動処方箋が推奨される対象イメージ
※詳しくは本紙をご覧ください。
◆身近な施設での運動習慣の定着へ
この「運動処方箋」に基づいて、実際に運動プログラムを作成するのが「健康運動指導士」です。健康運動指導士は運動施設などに在籍し、血圧や心拍数、筋力、生活習慣など、さまざまな指標から無理なく進められる運動を提案します。
現在市内には、多くの運動施設がありますが、運動処方箋の受け入れが可能な民間の運動施設はありません。こうした施設が増えれば、運動の処方と専門家のサポートによる健康づくりといった、新たな選択肢が加わります。
そこで本市では、小田原医師会や常葉大学と連携し、今年度から、民間運動施設でも運動処方を取り入れられるように検証を行います。また併せて、運動処方箋を発行できる健康スポーツ医の拡大や、健康運動指導士の育成を進めます。
定期的に健康チェックや相談を行い、運動の効果を実感することが、運動習慣の定着につながります。一人一人の体の状況に合った運動を、楽しく効果的に続けられるように、引き続き、健康増進の環境づくりの質的な充実に向け、取り組みを進めていきます。
今後、広く市民の皆さんが利用できるようになりましたら、改めてお知らせします。
モデル共創事業に関する連携協定締結式の様子(令和7年10月9日)
※詳しくは本紙をご覧ください。
◆協定に基づく役割分担図
《小田原医師会》
・健康スポーツ医の育成
・健康運動指導士への指導
・関係医療機関への周知・協力依頼
・取り組みの周知・発信
〈関係医療機関〉
・運動処方箋の発行
・運動療法の指導・助言
・運動療法の経過観察・効果測定
↓↑データ共有
《小田原市》
・取り組みの周知・発信
・関係団体との調整
・健康スポーツ医や健康運動指導士を集めた交流会
↓運動処方の導入を支援
《協力運動施設(ジム・フィットネス)》
・健康増進施設認定取得・運営
・処方箋対応の運動プログラム提供
・事業成果の発信・協力
・連絡会議への協力・データ提供
・イベントやプログラムの実施・派遣
↓データの提供
《常葉大学》
・データ分析
・成果発信
・事業評価
↓保健指導や広報媒体で取り組み紹介
運動処方箋とともに協力運動施設を紹介
↑
《企業・団体》
健康経営などの観点から従業員に紹介
【WEB ID】P40386
問い合わせ:健康づくり課
【電話】47-0828
