文化 高橋睦郎さんの作品にふれる

多くの作品を発表している高橋さん。市民と図書館の司書がおすすめの作品を紹介します。この機会に作品を読んでみませんか。

■市民インタビュー
◆演劇の台本や随筆からも美学を感じます
逗子市民劇団なんじゃもんじゃ代表
石井昭子さん(池子)

さまざまな演劇を見る中、2012年に観劇した『王女メディア』はとても印象に残っています。当時は高橋さんの作品と知らず、幻想的で存在感もある舞台に圧倒されました。昨年、台本修辞を高橋さんが務めたと知り、書籍を読みました。あんなに舞台に入り込めたのは、聞き慣れないギリシア人の名前などを「奥方さま」「女神さま」と理解しやすい言葉に置き換えていたから。だからなじみのないギリシア神話でも、普遍的なドラマになっていたのだと気付きました。そぎ落とした言葉の美しさにも感動しました。
ほかには、随筆『詩人の食卓』が大好きです。食事の内容やエピソードから逗子と高橋さんの関係が良く分かりますし、金子國義さんの挿絵も楽しいです。高橋さんの美学が生活の中にあふれています。

■図書館セレクト おすすめ書籍
逗子市立図書館には、高橋睦郎さんの書籍の蔵書が多くあります。 

▽永遠まで(思潮社)
全23編が収められた詩集。亡き母への思慕がつづられています。巻末にある小さな写真には、幼い高橋さんを抱いた若い頃の母親が写っています。ぜひ目を留めてください。

▽ロクス・アモエヌス(平凡社)
高橋さんの自邸の写真集です。「ロクス・アモエヌス」はラテン語で「心地よき場所」という意味。アンティークの調度品に囲まれ、四季折々の花が咲く庭を臨む家で、執筆している高橋さんの姿が想像されます。

問い合わせ先:図書館