- 発行日 :
- 自治体名 : 神奈川県海老名市
- 広報紙名 : 広報えびな 令和7年9月1日号
「下水道の日」は、台風シーズンの9月に定められています。下水道には雨を河川などに流して浸水被害を軽減させる「雨水排水」の役割と、汚水を処理して公衆衛生を守る「汚水排水」の役割があります。今回は雨水排水のために市が行っている対策や、家庭でできる対策を紹介します。
■市の雨水対策
▽「雨水管理総合計画」を策定
近年は気候変動の影響で、1時間に50ミリメートル以上の集中豪雨の発生率が高まっています。局地的な大雨や台風による浸水被害の軽減を目的に、市は令和6年4月に「雨水管理総合計画」を策定しました。浸水要因の分析や浸水シミュレーションを行い、その結果に基づいて整備計画を設定しています。
▽「分流式」で処理
下水道には「分流式」「合流式」と呼ばれる2種類の処理方式があります。「分流式」は汚水と雨水を別々の管で流す方式、「合流式」は家庭や工場などから出る汚水と雨水を1つの管で流す方式です。
▽市は「分流式」を採用
市は県の処理場を使用しており、処理機能の負担軽減を図るためにも、下水道整備当初から「分流式」を採用しています。
分流式特徴:
・汚水と雨水を別の管で流すため処理場の負担が少なく、川や海の水質が保たれる
・2つの管が必要なため合流式より整備に時間がかかる
合流式特徴:
・1つの管で処理する旧来の簡易的な方式
・排水できないほどの大雨になると下水が道路にあふれて不衛生な環境となるリスクがある
▽雨水管を整備
近年の大雨に対応するため、3つの方法で雨水管を整備しています。
(1)雨水管を新しくつくる
雨水管が入っていなかった地域には、雨水管を新設します。主に箱型の「ボックスカルバート」や、円形の構造物を地中に埋設します。
(2)雨水管を大きくつくりかえる
雨水管が入っている地域も大雨に対応できるように大きな管につくりかえます。
(3)雨水管の本数を増やす
排水能力を上げるため、雨水管が入っている地域に2本目の雨水管をつくります。
▽雨水管の維持・管理
設備内に溜(た)まった土砂を定期的に取り除き、雨水の排水機能を維持しています。
▽浸水防止施設・設備を管理
・遊水池…川があふれないよう一時的に雨水を溜め、少しずつ排水していく施設です。溜める量を確保するため、定期的に雑草と泥を取り除き、雨水の貯留機能を維持しています。
・樋門(ひもん)…川との接続部に設置し、大雨で川から水が逆流しないようにする設備です。大雨の時は門を閉じ、浸水被害を防止しています。
■家庭でできる雨水対策
大雨による被害を防ぐため、できることから始めてみましょう。
▽宅地内の雨水浸透ますの清掃をする
雨水浸透ますの砂利の間に土や落ち葉などが詰まると、雨水が浸透しにくくなります。
土や落ち葉を取り除き、砂利が見える状態にしましょう
▽側溝や水路にごみを捨てない
側溝や水路に捨てられたペットボトルなどが雨水の排水を妨げ、周辺道路の冠水や家屋の浸水の原因になります。
▽側溝の上や水路用地に物を置かない
道路の端にある側溝の上や水路用地に物があると、道路上の雨水の排水を妨げます。
■水路に立ち入らないで!
大きな水路は流れが速く、深いところがあります。事故を防ぐため、立ち入らないでください。
■パネル展を開催
9月10日の「下水道の日」に合わせ、下水道の正しい使い方などを、クイズを交えて紹介します。
期間:9月8日(月)~12日(金)(初日は11時から、最終日は13時まで)
場所:市役所エントランスホール
問合せ:下水道課
【電話】046-235-9618