くらし 令和7年度施政方針(4)

4 生活環境
加茂市・田上町清掃センターについて、加茂市・田上町消防衛生保育組合では、令和6年8月19日に開催した組合議会全員協議会において、三条市にごみ処理を委託する協議を進めるべきであるという考えを表明しました。
これは、加茂市、田上町の可燃ごみの処理について、将来のごみ排出量を再試算し、35tクラスの焼却施設を建設して行う場合と三条市に処理を委託した場合の経費比較を行い、加茂市、田上町の今後20年間の財政シミュレーションを行った結果加茂市民、田上町民の利便性に大きな変化が無く、両自治体の財政負担が軽減され、現在想定する将来事業を少しでも多く実現できると考えたからでした。
今後は、清掃センターに関する議論の経緯を十分に伝えるべく、三条市に可燃ごみ処理委託の協議を進めていくことについて、方針を転換した理由なども含めて市民に対して説明していくとともに、地域の声を聞いていきたいと考えています。
方針の最終決定まで組合議会と協議を重ねるとともに、ごみ処理委託の三条市との協議を進めていきます。しかながら、当面は現在の清掃センターを修繕し、稼働し続けなければなりません。焼却炉への負荷を低減させるためにも、ごみの減量化・再資源化に積極的に取り組みます。

ごみの分別意識の向上につなげるため「中身の見えるごみ袋でのごみ出し」を実施したことで、令和5年度において、加茂市の年間ごみ排出量が、前年比15%減となりました。また、令和6年度に入っても大きなリバウンドはありませんでした。そのため、ごみ減量化の取組は順調に進んでいる状況です。今後も更なるごみ減量化の実現に向け、古着やプラスチックなど、リユースやリサイクルに活用できる品目の回収方法について検討を続けます。

2050年までに、二酸化炭素排出量を実質ゼロにする「加茂市ゼロカーボンシティ宣言」の実現に向け、令和6年度に策定した「加茂市環境基本計画」や「地球温暖化対策実行計画」に掲げる目標について、より多くの市民にご理解いただけるよう、啓発・周知活動を展開します。また、公共施設での太陽光発電設備等の導入可能性を調査し、加茂市における再生可能エネルギー設備導入事業の実現に向け検討を進めます。

5 住環境
空き家に関する施策の方針を定めるため、空家等対策審議会を設置し、令和7年3月に「加茂市空家等対策計画」を策定します。この計画に基づき、市民が安心し、快適に暮らすことができるよう、空き家の発生防止や抑制の取組を進めていきます。

市が所有する未利用地の有効活用と加茂市への移住・定住の促進を目的に、市外からの移住者を対象とした通称「若宮ヒルズ」の住宅用地の無償分譲制度を令和6年9月27日から開始しました。制度開始から現在までに10区画のうち2区画の申込みがあり、移住を希望する方々からの関心が寄せられています。今後もこの制度の更なる周知・推進に努め、多くの移住者を迎え入れることで地域の活性化を図っていきます。

「加茂市街地地区第三期都市再生整備計画」に基づき、産業センター裏に災害時の避難場所確保のため、かつイベントや周囲の公共施設と一体として利用可能な幸町公園の整備を行います。

6 道路・公共交通
道路整備については、安全・安心な道路交通を確保するため、東芝横線や菅端諏訪ノ木線、福島線、下条矢立境線、九軒小路線、黒水丸山線、元狭口線、轟金鉢線の道路改良工事を行います。
また、舗装の傷みが激しく修繕の緊急性の高い加茂病院通線の舗装打替え工事を行います。

橋梁長寿命化については、「橋梁長寿命化修繕計画」に基づき、老朽化対策として農道1号橋ほか10橋の修繕詳細設計を行います。また、高須町横線1号No.1ほか21橋の小規模橋梁の修繕工事を行います。加茂市の橋梁については、健全度判定4段階のうち、修繕の必要な健全度III・IVの区分に271橋のうち78橋、割合にして29%が該当し、全国平均の8%、県平均15%を大きく超えており、将来に向けて計画的な修繕が必要な状態です。

消雪施設は、若宮町駅前線、周平小路線の老朽化した消雪用井戸を更新し、また穀町小橋線消雪パイプの布設替えを行います。

令和7年1月末現在、「かもんタクシー」の利用者は10,075人で昨年同時期に比べ1,365人減少しましたが、「かもんバス」の利用者は55,339人で8,809人増加し、市営公共交通全体の利用者数は7,444人増加しました。
令和6年度に国の補助金を活用した共創・MaaS実証プロジェクト事業で行った「こども・子育て世代に優しい公共交通のリ・デザイン事業」では、9月から小中学生のかもんバスの運賃無料化を実施しました。11月以降の利用者数は、無料乗車券配布前と比べ約5.5倍と大幅に増加しました。公共交通利用券のデジタル化や小中学生のかもんバスの運賃無料化を引き続き実施し、誰でも利用しやすい公共交通の整備や幅広い世代の利用促進を図ります。
また、老朽化したかもんバスの更新に伴い、バリアフリー対応車両を導入します。

7 水道水の供給
水道事業については、給水人口、使用水量等の減少による給水収益の減少や施設の老朽化による維持費、更新費用などの増加により経営は依然として厳しい状況です。経営状況を改善するため、令和7年8月に料金改定を予定しています。また、引き続き経費削減について検討し、収支均衡のとれた安定的な事業経営に努めるほか、水道料金の未収金回収についても収納率向上に努めます。

浄水場で作られた水を無駄にすることなく配水できるよう管路の漏水調査を継続し、漏水箇所の修繕と、旭町・上条・第2区・下興屋向地内で漏水の恐れのある老朽管の布設替えを行います。
また、老朽化した浄水場施設・設備の更新を併せて行います。

令和6年度及び令和7年度の2か年で策定される「加茂市水道事業アセットマネジメント」は、財源の裏付けを持った更新需要見通しを作成することで、水道施設への更新投資が着実に実施されることを目的としています。それを基に、更新需要を的確に把握したうえで必要な財源となる料金収入を確保しつつ水道施設の計画的な更新に努めます。

8 汚水処理の推進
下水道事業については、公営企業会計の適用により経営状況を明確にし、経営基盤の強化を図るため8月に使用料改定を予定しています。

長期的な視点で下水道施設及び管路の維持管理や改築を計画的・効率的に行うための「加茂市下水道ストックマネジメント計画(第2期)」に基づき、持続可能な下水道事業の実現を目指します。