- 発行日 :
- 自治体名 : 石川県七尾市
- 広報紙名 : ななおごころ 広報ななお 令和7年(2025)7月号
■2、3歩先を見る眼
私は、大阪で長く仕事をしていましたが、繁華街である「キタ」や「ミナミ」に慣れない頃、歩いている人とよくぶつかりました。これは、歩くのが速いのと前からだけでなく左右からも人が現れるからです。最初はぶつからないようにと必死で目の前を見ていると人に酔うようになりました。そのせいか、今でもあまり人込みは好きではありません。
ある時、気付いたのですが、目の前でなく4~5メートル先を見ることで人の動きが分かり、ぶつからなくなりました。目の前の事は大切ですが、2、3歩前を見て歩くことも自分の進路を考える上で有効なことかもしれません。
震災から1年半が経過しました。当初は、「水が出ない」「景色が変わらない」といった意見がありました。復旧が遅いといった声も多く聞こえました。解体が進み、空き地が増え、半年前の景色とは変わり、寂しい思いをしている方もいらっしゃると思います。1日1日の歩みは遅いと感じるかもしれませんが、実際は少しずつ前に進んでいます。不安をあおることよりも、着実に前に進むことが重要です。
このことは、震災の復旧・復興に向けた私たちにも必要なことではないかと思います。困難な状況に置かれていても、これからの希望や目標を見いだし、心の支えにしていくこと。未来への展望を持ち具体的な計画を立て、実現に向けて歩みを進めていくことが大切です。