- 発行日 :
- 自治体名 : 石川県加賀市
- 広報紙名 : 広報かが 令和7年4月号
加賀市医療センター病院長北井です。災害医療で市がいかに貢献したのかを掲載しました。医療者だけでなく、様々な業界の人が能登や市内で対応をしたということも知っています。災害で医療にどんな困難が生じるのか、今回よくわかりました。そのうえでみなさまには、どんな持病があって、どの薬をなぜ飲んでいるか?ということを、ご自身で説明できるようになっていただきたいと思いました。「お医者さんに全部任せてあります」というのは、昔よくあったと思いますが、今は医師と患者さんで一緒に病気をコントロールする時代です。我々が、どうやって避難者の薬を提供したか、書いていきましょう。石川県では病院間のネットワークがあります。普段は同意書がないと別の病院のカルテを見ることができませんが、災害特別対応で、薬剤や治療内容を知ることができました。お薬手帳がない人には、実際の薬を見て決めるのですが、数千種類もある薬を診察中の医師が調べるのは困難です。JMAT(日本医師会緊急医療対策チーム)がホテル加賀百万石で災害時緊急診察室を立ち上げ、薬剤師と共に薬の鑑別や処方を行いました。市内調剤薬局でも薬の鑑別をしていただきました。マイナンバーを使用できる人はマイナポータルから薬と採血データを見ることができました。デジタル化の恩恵が実は多くあったのです。