くらし 祝!北陸新幹線福井開業1周年 新幹線でひともまちも輝くふくい(1)

北陸新幹線福井開業から1年。北陸新幹線は私たちの暮らす福井のまちにさまざまな恩恵をもたらしています。観光・ビジネス客の増加だけでなく、「フクマチブロック」や「くるふ福井駅」など新しい商業施設の誕生によりまちなかでの交流も増え、福井駅周辺を中心としたかつてないにぎわいが生まれています。
今回の特集では、北陸新幹線による開業効果を日々感じている市民の皆さんの声に焦点を当てます。

・新幹線がもたらすにぎわい効果は、福井駅周辺にとどまらず、郊外まで波及しています!
・福井の代名詞とも言える「恐竜」は、県内外、老若男女問わず大人気!
・越前ガニや地魚など福井のおいしい旬な食を求め、県外から足を運ぶ観光客らが増加中!

■開業効果1 物販
(株)山元眼鏡商会 代表取締役
山元敏孝さん
福井のものづくりを発信しています!

●全体の約8割が県外客!
昨年3月、ミニエ内にオープンした「COTON(コトン)」で、メガネフレームの素材を使用したアクセサリーを製造・販売している(株)山元眼鏡商会の代表山元敏孝さん。「全体の8割ほどが、関東圏を中心とした県外客。開業日以降、福井駅周辺は多くの観光客らでにぎわっていると肌で感じる」といいます。

●首都圏からのリピーターを獲得!
県外客とのコミュニケーションを通して、まだまだ「福井」が知られていないことも痛感しているという山元さん。福井の認知を少しでも広げようと、首都圏にポップアップストアを出店し、県外に直接出向いてアピールすることにも力を入れています。この取り組みもあり、福井へ足を運んでくれてリピーターになる人も徐々に増えてきていると話します。
「観光客と会話する際は、ベタな福井弁で話すよう意識している。そうすることで、『福井』が印象に残りやすい。地元民の人柄やノリの良さも、またその土地に訪れたいと思ってもらう大切な要素。市民の皆さんも、新しい交流のチャンスが無数に広がる福井駅周辺で、観光客らとの交流を楽しんでほしい」

▽ハピテラスなどで来場者数増!
新幹線開業を契機に、福井駅周辺に訪れる人の数も急増しています。
中でも、ハピテラスやハピリンホール、セーレンプラネットなどへの来場者数が増えています。

・ハピテラス…約2万8000人増(R5.4~11月とR6同時期を比較)
・ハピリンホール…約4000人増(R5.4~11月とR6同時期を比較)
・セーレンプラネット…約2万人増(R5.3/16~11/30とR6同時期を比較)
・養浩館庭園…約1万7000人増(R5.3/16~12/31とR6同時期を比較)

■開業効果2 水産
(株)山下水産 代表取締役社長
山下一信さん
観光客らに、新鮮な地魚を届けています!

●県外客との交流で認知度向上を実感!
越前町で干物やみそ漬けの製造・卸売を行っている(株)山下水産。6年ほど前から、中央卸売市場内のふくい鮮いちばで、地元の新鮮な生魚などを販売する「美味食卓 さくだ屋」を営んでいます。代表の山下一信さんは、「新幹線開業により、平日は県外のビジネス客の利用が格段に増え、土曜は主に関東圏から来る家族連れや地元の若いカップルなどであふれている」と話します。加えて、全国メディアでの福井の露出が増え、認知度が上がったことで、県外のYouTuberなどが撮影に訪れることも増えたといいます。「中央卸売市場の名が確実に広まっており、これまで出会ったことのない職種の人たちとの交流や、県外客とのコミュニケーションが非常に楽しい」と笑顔で話します。

●首都圏で福井をPRするイベントが増加!
また、首都圏で、福井の地魚や越前ガニなどをPR・販売するフェアの開催も急増しており、卸や出店の依頼も増えたといいます。「4月には新宿の有名百貨店での開催も決まっている。福井の食の魅力をしっかりと伝え、福井のとりことなる観光客を増やすことで、福井の水産業を盛り上げていきたい」

▽認知度が上がり、ふるさと納税が好調!
応援したい自治体を訪れ、宿泊や飲食、体験に充てることができる「現地決済型ふるさと納税」が全国的に人気を集める中、市では、令和5年7月から、市内55の宿泊事業者で利用できる楽天ふるさと納税のサービス「楽天トラベルクーポン」に参入しています。令和5年度の826万円に対し、今年度は既に2214万円(R7.1月末時点)の寄付が集まっており、開業効果による市の認知度向上などが寄与していると考えます。今後も引き続き、市のイメージアップにつながる施策などに力強く取り組んでいきます。

・中央卸売市場では、年に1回「ふくい市場フェスタ」を開催。昨年は、市場開設50周年と北陸新幹線福井開業を記念し開催され、多くの市民や観光客らで盛り上がりを見せた

■開業効果3 飲食
越前がに鮮魚割烹「らでん」 店長
牧野裕子さん
福井駅を降りて1分、福井の味が楽しめます

●欧州系の外国人観光客が急増!
ハピリン1階で、越前ガニなどを使った料理を提供している鮮魚割烹「らでん」。「北陸新幹線福井開業を見据え、福井駅を降りてすぐに新鮮な地魚をおいしく食べてもらいたいという思いで10年ほど前に開いた」と話す店長の牧野裕子さん。「新幹線開業で、関東方面から来店する家族連れや年配のご夫婦が増え、さらには東南アジアや欧州系の外国人観光客も急増した」と話します。

●売り上げは1割以上増加!
来店客数や売り上げは、開業前と比べると1割以上増加。「特に11月ごろは満席続きで、リピーターは間違いなく増えた。中には、5日間連続で来店された外国人観光客もいたほど」と開業の手ごたえを感じます。「県外客の中には、1年後の予約を取って帰る人たちもいる。一度来店した人に、また訪れたいと必ず感じてもらえるよう、味だけでなく接客にも力を入れていきたい」