- 発行日 :
 - 自治体名 : 福井県坂井市
 - 広報紙名 : 広報さかい 2025年10月号
 
■「各地に残る廃線の記憶」
現在の坂井市域で唯一鉄道の駅が無いのは丸岡町ですが、昭和初期には現在の丸岡バスターミナルに駅があり、春江町西長田までを結ぶ丸岡鉄道と永平寺と金津を結ぶ永平寺鉄道が通っていました。現在の丸岡バスターミナルの建物は大正時代の駅舎のような外観をしています。建物と芝生の広場の間には線路をイメージした舗装がされていて、当時の駅舎の雰囲気を醸し出しています。
丸岡鉄道は大正4年(1915)に本丸岡から現在のハピライン丸岡駅(当時は上新庄駅)までが開業。昭和6年(1931)には線路幅を改修、西長田まで延伸しました。昭和19年(1944)には京福電鉄に吸収・合併されて京福電鉄丸岡線となりました。福井地震で壊滅的な被害を受けたものの、復旧を遂げました。しかし、昭和30年代以降、輸送手段の主流が鉄道から自動車になったことで、昭和43年(1968)惜しまれつつその役割を終えました。丸岡鉄道の痕跡はほとんど残っていませんが、坂井町福島のハピラインの線路わきにかつて線路をまたぐようにかかっていた丸岡鉄道の陸橋の橋脚が残っています。
丸岡鉄道が東西をつなぐ役割を担っていた一方で、南北を縦断するように永平寺から本丸岡を通って金津までを結んでいたのが永平寺鉄道です。当時すでに開通していた東古市と永平寺を結ぶ路線に加えて、昭和4年(1929)に永平寺から丸岡を経由して金津に至る区間が開通しました。金津から三国までは鉄道が繋がっていましたから、当時は丸岡から三国まで線路で繋がっていたことになります。福井地震後も復興したものの、昭和44年(1969)に廃線となりました。
丸岡と各地をつなぎ、人々の暮らしを支えていた鉄道の面影が、現在も各地に残されています。
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