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■甲斐国住吉神社「御田植神事(おたうえしんじ)」
住吉神社で毎年7月の例大祭とともに行われる「御田植神事」は、地域の方々が御田でお田植えを行い、神様に豊作をお祈りする伝統的な行事です。今回は住吉神社の神職の方にお話を伺いながら、神社と御田を見学させていただきました。

◇住吉神社はどんな神社
住吉神社のはじまりはおよそ1300年前、奈良時代前期と伝えられており、現在の高畑地域にあったそうです。その後、時代の移り変わりとともに何度か場所を変えた末、江戸時代の初めころには現在の場所に落ち着いたと言われています。また、稲作の技術を広めた神様を祀っていることから、五穀豊穣などを祈り、現在でも年間を通じていくつもの祭典が行われています。今回お話を伺った「御田植神事」もその一つであり、地域で伝統が守られています。

◇豊作を願う「御田植神事」
毎年7月の夏季例大祭とともに行われる御田植神事では、地域の子どもたちが花笠に着物の早乙女に扮し、御田にお田植えをします。この行事は、お米の豊作を祈る大切な儀式であるとともに、地域の子どもたちの貴重な学びの場ともなります。最近では留学生もお田植えに参加するなど、異文化交流の場としても重要な機会となっています。

◇地域とともにある神社
御田植神事で植えた稲の苗は神職の方々と地域の氏子さんたちが管理し、11月には収穫に感謝をする「新嘗祭(にいなめさい)」が行われます。収穫されたお米は神事に参加された方々に贈られるそうです。そして、翌年2月には新たな収穫に向けた祈年祭が行われ、祈りの輪がめぐっていきます。この伝統が住吉神社と地域の方々に大切に受け継がれてきたことがわかります。

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■今月の担当レポーター 黒田チカ
田んぼや稲作の様子を見る機会が減少し、お米がどのように育てられているのかを知らない子どもたちが増えているように感じます。住吉神社の御田植神事は、子どもたちに「自然の恵みであるお米のありがたさ」を伝える大切な機会であり、「ごはん一粒には多くの手間と祈りが込められている」…そんなメッセージを伝える、地域に残る尊い文化行事だと感じました。