くらし Focus 今月の焦点(3)

■移住促進・官民連携で加速する空き家対策
▽祝 空き家率最下位脱却!
5年ごとに行われる総務省の「住宅・土地統計調査」。山梨県の空き家率は平成15(2003)年の調査以来、4回連続でワースト1位でしたが、昨年4月、25年ぶりにその地位から脱却したことが報じられ、県および各市町村の取り組みの成果がついに現れ始めました。

住宅総数、空家数および空家率の推移
南アルプス市(平成15年~令和5年)

山梨県の空き家数は2023年10月時点で8万7200戸、5年前の前回調査と比べて、2800戸減少。南アルプス市の空き家数も、前回調査から200戸が減少しています。
ただし、全国の空き家数は過去最高の900万1600戸を記録。本市も減少したとはいえ、まだまだ市内にも多くの空き家がある状況です。

▽〜追い風になるか〜南アルプス市移住人気上昇中!
今年に入り、さらに嬉しいニュースが舞い込んできました。南アルプス市が、民間出版社の実施するアンケート調査により、移住増の人気地ベスト13位にランクインしました。実はその兆候が、先の山梨県による人口調査の結果にも現れていました。
山梨県が昨年末に発表した「常住人口調査」によると、県全体の推計人口は約47年ぶりに79万人を割り込み、県内各自治体の人口も同様に減少傾向を示しています。そのような中、南アルプス市が、人口が増加している数少ない自治体であることが、調査結果で示されました。
ここ数年転入超過の傾向が続いている本市では、従来から継続してきた子育て支援施策や移住推進施策が実を結び、市外から移り住む方やUターン移住で地元に戻って来る方が増えています。
新たな地で生活するにあたり、移り住む方々が特に重視しているのが「仕事探し」と「住まい探し」です。また、南アルプス市で起業や開業をしたいという声も多くあります。
移住者・定住者の増加と共に、空き家を解体しての住宅の新築や空き家の活用(居住・店舗等への改装)等が順調に進んでいけば、今後も市の空き家数は減少していくことでしょう。

▽〜お任せください〜空き家相談の窓口開設中!
空き家の利活用を進めるにあたり、まずハードルとなっているのが利用したい方に供給できる物件が少ないことです。また、空き家所有者にとって、自分一人だけの力で、空き家の処分を考えるのは非常に困難です。
そこで市では空き家の無料相談会やセミナー開催のほか、空き家の売買・賃貸を仲介する空き家バンク制度を設けています。
なお、空き家バンクの仲介は、民間団体である「山梨県宅地建物取引業協会」と協定を結び、協会に所属する市内の事業者(宅地建物取引士)により結成された「南アルプス市宅建協力会」が実施しています。空き家の問題解決にあたっては、市の担当課の他にも頼れる方々が市内にはいます。ぜひ、お近くの不動産業者にも相談してみてください。
また、空き家対策については、市の補助制度・支援制度もあります。例えば、空き家バンクに登録された物件の修繕・リフォームに対する補助金(最大100万円)や物品等の片付けに対する補助金(最大10万円)、空き家の解体の際に活用できる補助金等です。
南アルプス市内の空き家を求める需要の声と、それに対する供給を支援する流れは確実に高まっています。ぜひ、市民の皆さまも身の回りの空き家について関心を持っていただき、もし、空き家の事で悩んだ際にはお気軽にご相談いただければと思います。

■Column~あなたの自宅も文化財に?~国登録有形文化財(登録有形文化財建造物制度)について
街中で、このようなプレートが掲げられた建造物を見たことがありませんか。現在、市内には10件(15棟および1基)の「国登録有形文化財」が存在します。築後50年以上が経ち、歴史的景観や造形に優れ、再現が容易でないのが選考基準。登録されても、厳しい規制がある国宝・重要文化財といった文化財と違い、外観を大きく変えるなどしなければ、届出等の必要もなく、改修や改装も認められます。近年では、登録された建造物の観光や商工業・まちづくり等での活用事例も見受けられるようになりました。空き家の中にも、該当するものがあるかも…?

写真は本紙をご覧ください。

問合せ:管理住宅課
【電話】282-6397