- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県東御市
- 広報紙名 : 市報とうみ 2025年3月号
我が国では、依然として年間2万人を超える方が自ら命を絶っており、自殺による死亡率は人口10万人あたり17.6と先進国のなかで高い水準にあります。(厚生労働省「令和5年度中における自殺の状況」)
自殺予防の取組みとして昨年10月に公認心理士 加藤千恵氏をお招きして、精神保健講演会「心の変化に気づくには」を開催し、自身や身近の方が自殺に追い込まれてしまわないように、こころの不調を感じた時の対応について、お話をいただきました。その時の講演内容について簡単にご紹介します。
■「心が変化する悩み」のストレスの原因
仕事、家族や友達、恋愛や性、結婚や離婚、収入・家計・借金等、病気や介護
妊娠出産、育児や家事、学業・受験・進学など
■ストレスはどうして感じるのか
理想(したい・分かって欲しい)-現実(できない・分かってもらえない)=ギャップ
このギャップがストレスになります。
ストレスを感じるのは自然なことです。適度なストレスはやる気や集中力を高め、精神的な発達に役立ちます。また、人はストレスを乗り越えることで成長できるので、生きていくうえでも大切です。
しかし、大きなストレスが掛かると、気分が落ち込んで元気がなくなったり、イライラして怒りっぽくなる等のストレスサインが出ることがあります。でもこれは、自然な心と身体の反応です。
■自分のストレスサインを知る
気づかないままストレスを受け続けると、さらに調子をくずしてしまうことがあります。
まずは、自分のストレスサインを知っておくことが大切です。そしてサインが出ていないかどうか、ときどき自分の状態を観察し自分を守る行動をしましょう。
◇ストレスサイン
・身体症状
頭痛 肩こり
寝付きが悪い
夜中に目が覚める
腰痛 下痢
めまい、耳鳴りがある
・心の症状
イライラする 怒りっぽくなる
急に泣きたくなる
気分が落ち込んでやる気が出ない
人づきあいが面倒になった
最後に“心が変化し辛い気持ちになった時”の、ストレスを軽くするための対処法です。
1 気分をリフレッシュさせましょう。好きなことに打ち込むことで心がすっきりします。
2 気持ちを書き出す。大声で叫ぶ。思いっきり歌う。氷を握りしめる。
3 深呼吸をする。身体を動かして肩の力を抜く。
4 バランスの取れた食事・運動・睡眠などの生活習慣を見直す。
5 自分の心のセルフケアを行っても心の疲れが取れない時は、信頼できる人に相談する。自分の悩みを話すことは難しいかもしれませんが、状況の改善や解決策が見つかる事もあります。また、助けを求める事は自分を守る行動になります。
問い合わせ先:健康推進課 保健地域医療係
【電話】64-8882