- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県東御市
- 広報紙名 : 市報とうみ 2025年3月号
■梅野コレクションより探る 魅惑のモダン・デザイン展
文化振興支援 佐野 悠斗(さの ゆうと)隊員
梅野記念絵画館で開催中の「梅野コレクションより探る 魅惑のモダン・デザイン展」を担当しています。絵画館に収蔵されている作品の中で「デザイン画」の作品も素晴らしいことから企画しました。日本の商業デザインの先駆者である杉浦非水(すぎうらひすい)や、明治美術の巨匠、浅井忠(あさいちゅう)に学び浅井の後継者とも目される間部時雄(まべときお)の作品も展示しています。
「図案」がデザインを表す用語として日本社会に広まり始めたのは、明治中期から大正期までのことでした。同時期の西洋ではアール・ヌーボーが大流行しており、1900年のパリ万博などを通して日本にもその様式が受け入れられた時代でもありました。このような背景の中で描かれた図案画は、デザイン揺籃期(ようらんき)のノスタルジックな魅力をそのスタイルに秘めています。
本展覧会では、梅野コレクションのうち、明治末期から大正昭和期までのデザイン画を公開し、図案画家の創作活動を紹介するとともに、その美しさに迫ります。さらに、同時代に描かれたと考えられるコレクション内のとある図案集を取り上げ、調査研究の結果発見された、知られざる不思議な図案を探ります。
コレクション内の図案画は、時代を超えて変容してきた日本のデザインの源泉を見せてくれます。梅野記念絵画館でこれまであまり取り上げられることのなかったデザインの領域を通して、新たな視点からその美を感じてみてはいかがでしょうか。ロマン香る珠玉のモダン・デザインをぜひお楽しみください。
■来場者1万人超! 刀剣に親しみを
文化振興支援 目黒 慶子(めぐろ けいこ)隊員
昨年9月14日~11月24日に、梅野記念絵画館で開催した「東御の刀鍛冶─繋ぐもの─源清麿、山浦真雄、山浦兼虎、そして宮入法廣へ」を担当しました。「地域の刀工達の存在を知ってほしい」、「刀を知らない方にも分かりやすく」という考えが今回の展覧会の根底にありました。そのため、宮入法廣刀匠の監修のもと、刀鍛冶に着目した展覧会を企画しました。
また会期中は、ギャラリートークを開催し、解説を担当しました。刀に興味はあるけれど、見方や鑑賞はよくわからないという方に向けて、初心者向けの解説を行いました。
ギャラリートークでは、参加者と一緒に展示品を見ながら、鑑賞時のポイントや、刀の違い、それらを踏まえた作品解説を行いました。参加者からは「刀の鑑賞方法が知れて良かった」、「今までなんとなく刀を見ていたけれど、見方を知れてよかった」、「作品をより深く見ることができた」といった嬉しい言葉をいただきました。刀剣は高尚で難しいものという印象を抱かれがちですが、今回の展覧会を通して、親しみを持っていただけたのであれば嬉しい限りです。
来年度も刀剣に関するイベントを開催予定です。続報をお楽しみに!
編集担当・地域おこし協力隊 小林