- 発行日 :
- 自治体名 : 長野県小海町
- 広報紙名 : 小海町公民館報 第561号
巷では米不足に関する報道で、連日上や下への大騒ぎである。
政府は古米ならぬ令和三年産の古古古古米までも放出して対応している。しかし庶民には解らない様々な問題があるらしく、簡単に問題解決とはいかないようだ。米農家はもちろん、この騒動で大勢の方々がご苦労されていることと察する。
そもそも農作物は、人間の都合良く増やしたり減らしたりできるものだろうか。収穫量は天候や病害虫の影響を受けるだろうし、一度離農した人や潰してしまった田畑は、すぐには元に戻らないのではないか。
今年は六月から暑い日が続いているが、昼の水田は目に涼やかだ。風が渡ると稲の緑がきらきらと光って美しい。夜は、月に照らされた穂の陰から蛙の鳴き声が聞こえる。自然の営みは人間の思惑をよそに逞しく続いていく。
収穫の秋には、稲穂がたわわに実り、みんなで美味しい新米が食べられるように願うばかりだ。