くらし 特集01 最期まで自分らしくあるために 今こそ、人生会議を。(1)

厚生労働省では、毎年11月30日(いい看取り・看取られ)を「人生会議の日」としています。
また市では、11月を人生会議(ACP)強化月間とし、さまざまな取り組みを行っています。
この機会に「あなたの人生をどのように過ごしたいか」をあなた自身で見つめ直し、人生について考えてみませんか。

■人生会議(話し合いの進め方)

■もしもの前に「人生会議」を
「人生会議」は、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の愛称で、もしものときのために、「大切にしていること」や「どのような医療やケアを望んでいるか」を自分自身で前もって考え、家族や信頼する人、医療・介護の専門職の人たちと繰り返し話し合う取り組みです。
誰しも命に関わる病気やけがをする可能性があります。そして、命に危険が迫った状態になると、およそ70%の人が、医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりできなくなるといわれています。そのため、「もしも」そのような状況になったとき、価値観や気持ちを信頼する人と共有しておくこと、つまり元気なうちに人生会議を行っておくことで、自分自身が望むケアを実現しやすくなります。
しかし、市における認知度は低く、市民の75%の人が「全く知らない」という結果でした。また、人生の最期を迎えたい場所として「自宅」がおよそ53%ですが、実際に「自宅」で迎える人は15%で、多くの人が自身が思い描くような人生の最期を迎えられていないということがわかりました。(美濃加茂市 令和5年介護予防・日常生活圏域ニーズ調査より)

■あなたの思いをつなぐノート
市では、人生会議の普及を目的に、自分の気持ちに向き合い、その思いを大切な人と共有することや思いを言葉にするためのツールとして、市内で活躍する専門職の皆さん(医療機関、訪問看護師、ケアマネジャー、長寿支援センター)と協働して、美濃加茂市版エンディングノート、通称『つなぐノート』を作成しました。
このノートは、「市民の多くの人に人生会議を知ってもらい、元気な時から始めて欲しい」という専門職の経験や思いから作成したもので、デザインなどは市独自のものとなっています。
一人でも多くの人が、つなぐノートをきっかけに、人生会議を始めることを願っています。つなぐノートは、高齢福祉課の窓口で配布しているほか、市公式ホームページ(4ページの二次元コード)からもダウンロードできますので、ぜひご覧ください。
※つなぐノートは希望を書くノートであり、遺言書のような法的拘束力はありません

■Topics1 人生会議をテーマにした展示
人生会議や在宅医療について紹介しています。
この機会にぜひご覧ください。
とき:10月30日(木)から11月30日(日)まで
ところ:中央図書館、東図書館

■Interview01 つなぐノート作成プロジェクトチームの一員として
中部国際医療センター 医療ソーシャルワーカー 
野村 愛(のむらめぐみ)さん

多くのがん患者さんと関わる中で、患者さんの思いがご家族や私たち医療従事者と十分に共有されないまま亡くなられることがありました。そうした経験から、患者さん本人が意思決定できるうちに、もっと話し合う時間を持ちたいと考えるようになりました。この思いを市職員と共有する中で、「元気なうちから話し合いができるよう広げていこう」との話になり、在宅医療・介護に関わる専門職17人によるプロジェクトチームを立ち上げ、今回の「つなぐノート」を作成しました。
私たち医療ソーシャルワーカーは、医療機関で働く福祉職として、患者さんやご家族の思いを伺い、望む治療や療養の場の調整、安心した生活の支援につながるよう努めています。この「つなぐノート」が、ご家族や大切な人とそれぞれが抱える思いを共有する一助となれば幸いです。
※中部国際医療センター(1階患者様支援センター)でも「つなぐノート」をお渡ししています