子育て みんなで心豊かな子どもたちを育むために 小中学校の再編等に向けた取組
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- 発行日 :
- 自治体名 : 岐阜県各務原市
- 広報紙名 : 広報各務原 令和7年7月1日号
■教育環境を取り巻く現状
人口減少社会における学校のあり方は、教育分野の大きな課題の一つです。さらに、学校施設の老朽化も考慮すると、課題はより一層複雑になっています。
市教育委員会は、学校教育の充実を図り、子どもたちにとって望ましい教育環境を整備するため、令和2年に「各務原市学校適正規模・適正配置等に関する基本計画(以下、基本計画)」を策定しました(下記参照)。
この基本計画では、適正化すべき小規模校の範囲を定めるとともに、各小中学校の児童生徒数の将来推計を行いました。この時点では、すぐに適正化を行う水準にあると判断される学校はありませんでした。
しかし、基本計画の策定から5年経過した現在、児童生徒数は依然として減少傾向にあるため、基本計画を見直すこととしました。
◆「適正な学校規模」と「適正化すべき小規模校」
令和2年に策定した基本計画では、適正な学校規模と適正化すべき小規模校の範囲を左記のとおり定めました。
この時点で、尾崎小、稲羽東小、緑苑小、八木山小、各務小は、近い将来、適正化すべき小規模校(全校児童数が120人以下)に該当する可能性が示されていました。
ただし、早急に学校規模の適正化に向けた検討を開始するものではなく、引き続き状況を注視し、将来的に基本計画の見直しをすることにしていました。
▽適正な学校規模
小学校…12学級(各学年2学級)~18学級(各学年3学級)
中学校…9学級(各学年3学級)~18学級(各学年6学級)
▽適正化すべき小規模校
小学校…6学級以下で、児童数120人以下
中学校…6学級以下で、生徒数120人以下
■課題1 児童生徒数の減少
本市の児童生徒数は、今後も減少していくと見込まれます(図1参照)。さらに、今年4月時点で、5つの小学校において、大半の学年が1学級という状況です(表1参照)。
小規模校は、児童生徒一人一人に対し、きめ細やかな指導が行き届きやすく、意見を発表する機会が多くなる一方で、多様なものの見方や考え方に触れる機会、友人同士やクラス間で切磋琢磨する機会が少なくなります。
(図1)児童生徒数の推移・推計
※学校区別人口推計報告書(令和5年3月)の一部抜粋
(表1)児童生徒数と学校施設の建設年度
(令和7年4月時点)
※各学校の中で、最も古い校舎の建設年度
尾崎小、稲羽東小、緑苑小、八木山小、各務小の5校は、大半の学年が1学級という状況です。
■課題2 施設の老朽化
市の学校施設は、昭和40~50年代にかけて建設されたものが多く、施設の老朽化が進んでいるため、建替を必要とする時期が差し迫っています。しかし、学校は長期にわたって使用する施設のため、各学校の規模や配置などのあり方について検討し、その結果に従って建替を行う必要があります。
■取組の進め方
市教育委員会は、「子どもたちが多様な意見に触れながら、互いに切磋琢磨できる学びを展開するためには、一定程度の規模が必要である」という考えのもと、子どもたちにより良い教育環境を提供するため、今年度から検討を開始しています。令和8年度にかけて、最新の児童生徒数の推計などに基づく基本計画の見直しとともに、具体的な学校の再編や建替時期に関する実施計画案の策定を行います。
この取組は市内の全小中学校を対象とし、学識経験者やPTA代表、自治会代表などから構成する「各務原市学校規模・適正配置等検討委員会」で調査・審議を行います。
■情報発信など
検討委員会の開催状況や、今後の検討スケジュール、検討内容などの詳細は、市ウェブサイトで随時発信します。
また、保護者説明会や市民説明会も実施し、きめ細やかな情報発信を行います。
◆第1回検討委員会(5月27日)を開催
第1回検討委員会では、基本計画の見直しや学校再編などについて諮問が行われたほか、検討を行う背景や現状の確認などを行いました。
委員長の髙口努・岐阜女子大学 学長は、「子どもたちの力になれるように尽力したいです」と意気込みを述べました。
また、委員会終了後、学校施設を視察しました。
詳細:教育施設整備推進課
【電話】058-383-7302