くらし 危険な盛土などを規制

盛土などに伴う災害の防止を目的に、危険な盛土などを規制する「宅地造成及び特定盛土等規制法」の運用が始まります。岐阜県では、県内全域をこの法律に基づく規制区域に指定し、可児市は4月1日から市全域が宅地造成等工事規制区域に指定されます。この規制により、危険な盛土などによる災害を防ぎ、安全な土地利用を目指します。

■盛土などを規制する目的
「盛土など」とは、土地を利用するために、斜面、低地などに土を切り盛りすることです。例として、宅地の造成などがあります。
これらが安全な状態に保たれていない場合、土砂災害を引き起こす可能性が高まります。そのため、法律による基準が設けられ、危険な盛土などを規制することになりました。

▽盛土・切土のイメージ
※図は本紙をご覧ください。
出典:「盛土規制法パンフレット(一般用)」国土交通省、農林水産省、林野庁

■宅地造成及び特定盛土等規制法(通称「盛土規制法」)とは
令和3年7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害などを受け、盛土などに伴う災害の防止や災害から人命を守ることを目的として、令和5年5月に施行された法律です。
宅地や農地、森林などの用途に関わらず、危険な盛土などを規制することが定められています。

■規制区域の指定
県内全域が規制区域の対象となり、4月1日から規制が開始されます。可児市は全域が「宅地造成等工事規制区域」となり、盛土などに関する許可申請が義務化されます。宅地造成等工事規制区域とは、市街地や集落、その周辺などで盛土が行われると人家に被害を及ぼす可能性がある区域です。
規制区域は、県HPで確認できます(二次元コードは本紙掲載)。

■安全な盛土などを造るために
市内(規制区域内)で盛土などを行う場合は、あらかじめ県知事の許可が必要になります。なお、都市計画法による開発許可(みなし許可)の場合は市長の許可が必要です。

(1)主な規制対象(一定規模以上のもの)
・宅地を造成するための盛土・切土
・残土処分場における盛土・切土
・太陽光発電施設の設置のための盛土・切土 他

(2)安全な盛土などとするための基準
規制区域内で行われる盛土などの許可を受けるためには、安全基準に適合させることが必要です。具体的な例は次の通りです。
・盛土内に水がたまらないように排水施設を設置
・盛土などが崩れにくくするために締め固めを実施

(3)許可申請を行う必要のある者
工事主(盛土などに関する工事の請負契約の注文者または請負契約によらないで自らその工事をする者)

■盛土などを安全に保つために
規制区域内の盛土などが行われた土地では、過去に行われた盛土などを含め、土地所有者や管理者、占有者が常に安全な状態を維持する必要があります。
この責任は、土地が譲渡された場合でも、新たな土地所有者に引き継がれます。また、原因行為者に対しても、是正措置などの命令が発せられる場合があります。

■盛土などについてのQ and A
Q.自分の土地が規制区域に入った場合、どのような手続きが必要ですか?
A.盛土・切土や擁壁などの工事を行わない限り、手続きは必要ありません。一方で、盛土などが行われた土地を常時安全な状態に維持する努力義務が土地所有者などに課せられます。自分の土地の盛土などが周囲に危険を及ぼさないよう注意が必要です。

Q.許可を受けた盛土工事は、どのように見分けられますか?
A.現場に標識が設置されます。

Q.土地を買うとき、不動産会社から説明はありますか?
A.規制区域内で不動産取引を行う場合は、重要事項として、盛土規制法に基づく制限の内容が説明されます。

■許可対象となる盛土などの規模
▽土地の形質の変更(盛土・切土)
例えば…
・宅地を造成するための盛土・切土
・残土処分場における盛土・切土
・太陽光発電施設の設置のための盛土・切土など

※「崖」とは、地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地で、硬岩盤(風化の著しいものを除く)以外のものをいいます。

▽一時的な土石の堆積
例えば…土石の一時保管所における仮置きなど

※都道府県などの条例により規制対象規模が異なる場合があります。詳細は各都道府県などに確認してください。
※図は本紙をご覧ください。
出典:「盛土規制法パンフレット(事業者用)」国土交通省、農林水産省、林野庁

問合せ:市建築指導課県建築指導課
【電話】内2244【電話】058-272-8631