くらし ~シリーズ~「川辺かるた」で巡る川辺の魅力

◆「は」
八十八カ所(はちじゅうはちかしょ)
大谷山(おおたにやま)の
石仏群(せきぶつぐん)

八坂山にある御嶽社は、川辺の領主、第9代大嶋義彬が嘉永3年(1850)に開墓。家臣や領民が石仏を奉納し、『濃州八坂山百社』として尊崇(そんすう)を集めていた。神仏分離令によって一旦荒廃(こうはい)したが、明治24年(1891)、西栃井区の人々が発起人となって復興した。大正12年(1923)、町内外の信者が石像物を奉納し、新たに『大谷山八十八カ所巡拝地』が誕生した。四国八十八カ所の霊場を模した地に、お参りが絶えなかった。

◆「に」
◇人形(にんぎょう)に
子授(こさず)け祈(いの)る
毘沙門天(びしゃもんてん)

大谷入口の標柱に沿って階段を踏みしめると、お堂が見え、そこには毘沙門尊天(びしゃもんそんてん)が祀られている。古くから近隣の人々より、「子授け毘沙門(びしゃもん)さま」と呼ばれて信仰を篤くしていた。ここにお参りすると、念願の子どもが授かったと、借りた人形と新しい人形を添えてお礼参りする姿が多く見られた。子どもは家の宝、世界の宝を、麓(ふもと)から毘沙門さまは今も祈り続けている。

●「川辺かるた」とは…いろは48文字のうち「を、ん、ゐ、ゑ」を除いた44文字で構成され、川辺町のさまざまな魅力が札となって登場します。中央公民館の窓口にて¥1,000-(消費税込)で購入することができます。