子育て No.141 シリーズ 教育の窓 八百津町教育委員会

■すべての子どもが輝くために 特別支援教育とは?
1.はじめに
お子さまの成長を見守る中で、「ほかの子と少し違うかも?」と感じたことはありませんか?それは個性の一つであり、お子さまが自分らしく学び、成長するためのサポートが必要なサインかもしれません。
・落ち着きがなく長時間座っていることができない。
・書く・読む・計算するなど、学習につまずきがある。
・言葉を話すのが遅かったり、使う言葉が少なかったりする。
・人との関わりが苦手で、友達とのトラブルが多い。
・ちょっとした物音に敏感で、気をとられ集中できなくなる。

2.特別支援教育とは
「特別支援教育」とは、障がいのある子どもたちが自立し、社会で活躍できるように支援するための教育です。一人ひとりの特性や教育的ニーズを理解し、持っている力を伸ばしながら、生活や学習の困難を克服することを目指しています。
この考え方は、特別支援学級だけでなく、通常の学級でも大切にされています。すべての子どもが安心して学び、生活できる環境をつくるために、特別支援教育の重要性はますます高まっています。
文部科学省では、障がいのある子ども一人ひとりに適した教育を提供できるよう、特別支援教育の充実に取り組んでいます。八百津町でも、この方針に基づき、すべての子どもが学びやすい環境づくりに努めています。

3.特性を理解しましょう
子どもが学校や日常生活で困りごとを抱える理由の一つに、「発達障がい」があります。発達障がいの原因はまだはっきりとは分かっていませんが、脳の機能に関わる特性であると考えられています。
この特性は幼い頃から現れることが多く、周囲の理解がとても重要です。子どもが安心して成長できるよう、早い段階で適切な支援や環境の調整を行うことが大切です。温かく見守りながら、一人ひとりに合ったサポートを心掛けましょう。

4.特別支援教育の場について
子ども一人ひとりの特性に合わせた教育を行うため、さまざまな支援の場があります。
(1)特別支援学校
特別支援学校では、障がいの状態や発達の段階に応じたきめ細やかな教育を行い、子どもができる限り自立し、社会で活躍できるよう支援します。また、保護者や関係者からの相談にも対応し、必要なサポートを提供しています。

(2)特別支援学級
特別支援学級は、小・中学校に設置され、一人ひとりの障がいの特性に配慮しながら学習を進める場です。学習内容は小・中学校の教育課程に準じており、指導内容によっては通常の学級の子どもたちといっしょに学ぶ機会もあります。八百津町内には、知的学級、自閉・情緒学級、難聴学級があります。

(3)通級による指導
「通級による指導」は、通常の学級に在籍しながら、特定の困りごとに応じた専門的な個別指導を受ける仕組みです。対象となるのは、言語や聴覚、情緒面の課題を抱える児童生徒や、LD(学習障がい)、ADHD(注意欠如・多動症)、自閉症などの発達障がいのある児童生徒です。八百津町では、LD/ADHD等通級、言語通級を実施しています。

(4)通常の学級における特別な支援
通常の学級に在籍している児童生徒の中にも、学習や生活に困難を抱える子どもがいます。そのような場合には、個々の特性に配慮した指導を行い、より学びやすい環境を整えています。

5.おわりに
どの子も笑顔で健やかに育ってほしい。それは、私たちみんなの願いです。子育てや学校生活の中で「ちょっと気になること」や「心配なこと」はありませんか?そのような悩みは、一人で抱え込まずに、ぜひ相談してください。おそらく、どの子どもも、どの保護者も、日々の生活の中で何かしらの「困りごと」を抱えているのではないでしょうか。
町内の各保育園や小・中学校には、「特別支援教育コーディネーター」という先生がいます。この先生は、関係機関と連携したり、子どもたちや保護者の相談窓口になったりと、さまざまなサポートを行っています。気軽に相談しながら、お子さまの困りごとをいっしょに理解し、よりよい関わり方を見付けていきましょう。