- 発行日 :
- 自治体名 : 岐阜県八百津町
- 広報紙名 : 広報やおつ 令和7年9月号
錦津出張所および久田見出張所にて、町保健師・管理栄養士による糖尿病予防の教室を開催しました。
■八百津町の健康課題と医療費について
○1人当たり医療費が高い町
令和4年度に県内1位となり、岐阜県で最も医療費が高い町として認知されました。八百津町の1人当たり医療費は例年県内上位を推移し、令和6年度は県内4位でした。
○入院費用脳血管疾患県内1位・腎不全県内2位
原因疾患と考えられる高血圧症の外来医療費は県内30位で、通院治療されている方が少ないことが分かります。初期段階から外来治療ができていれば、高血圧症が重症化して脳血管疾患や腎不全への進行を防ぐことができると考えられます。
○急性心筋梗塞の死亡率 全国平均の3.8倍
「急性心筋梗塞による死亡が多い町」として、2017年日本経済新聞に掲載されました。
八百津町の健康状態改善のために、高血圧症および糖尿病予防教室を企画しています。1人でも多くの方に知識を普及することを目指しています。
■あなたの血糖数値はいくつ?
○健康診断結果の見方
健康診断は受けていますか?健康診断の結果で、糖尿病のリスクや、自分がどの段階にいるのか、確認することができます。見るべき項目は、「血糖値」と「HbA1c」の2つです。
「血糖値」はその名の通り、血液中に流れている糖の量を測るものです。今の血糖の状態を知ることができ、正常値は70~100、正常高値は100~110、要指導が110~126、要治療が126mg/dl以上と言われています。
「HbA1c」は、血液中に余っている糖の量で、過去1~2か月の糖コントロール状態を知ることができます。適正値は5.6~6.0、要指導6.0~6.5、要治療6.5%以上です。
○高血糖が続くと…
HbA1c8.0%以上が5年間続くと、神経障害を発症、さらに5年間続くと足が壊死するリスクが高まります。健診結果を改めて確認し、高値の方は早めに医療機関を受診しましょう。高値の方も、医師の指示のもと、適切な治療をしていけば重症化を防ぐことができます。毎年健診を受け、自分で変化に気がつけるようにしていきましょう。
■糖尿病予防の食事について
○糖質(炭水化物)=不要なもの?
糖質(炭水化物)は、人が生きていく上で必要不可欠な3大栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)のうちの1つで、大切なエネルギー源です。車で例えるとガソリンの役割を果たします。不足すると集中力の低下、イライラなどに繋がります。とり過ぎにも、とらなさ過ぎにも注意しながら、バランスの良い食事を心掛けることが大切です。
○糖尿病を予防する食事のポイント
(1)カーボラスト(炭水化物を最後に)を意識
糖質が多く含まれる主食(ご飯・パンなど)を食べる前に、野菜のおかずや、メインのおかずを食べることで、血糖値の急上昇を抑えます。
(2)ゆっくり食べて腹8分目に
よく噛んでゆっくり食べることで、血糖値の急上昇を防ぐことができ、食べすぎ防止にもつながります。
(3)夕食は就寝の3時間前までに
夜遅い食事は、血糖値を急上昇させ、食べたものは脂肪として蓄積されやすくなります。
■バランス弁当の試食
カロリー控えめでも満腹になり、満足できるメニューの試食を行いました。糖の吸収をゆるやかにさせる働きがある、食物繊維が豊富に含まれる食品(野菜、きのこ、海藻、麦など)をたっぷり使用し、参加者からは「満腹になった」「バランスが良かった」などの感想がありました。
○メニュー紹介
・たっぷりきのこのふわふわハンバーグ
・切り干し大根のチヂミ
・きゅうりとトマトのツナごま和え
・めかぶとおくらのスープ
・ヨーグルト寒天
・もち麦ご飯
合計737kcal
○参加者のアンケート・まとめ
今後の生活で活かせると思ったことについて、「ストレッチを毎日やりたい」「食事はゆっくり食べ、炭水化物のとり過ぎに気を付けたい」、全体の感想として、「大変勉強になった」「もっと多くの人に知ってもらいたいと思う」などがありました。町民のみなさまがいきいきと健康で暮らせるような町づくりを推進するため、今後もこのような取組みを積極的に実施していきます。ぜひお気軽にご参加ください。