くらし 村長室から

山々が新緑から深い緑へ移り替わる水無月(みなづき)。美しい景色が広がります。

6月は村内各団体で総会が開催され、ご挨拶の時間をいただけるので、村の現状などをお話しさせていただいています。
私は令和5年度、6年度と全国山村振興連盟という団体の副会長職を務めてまいりました。この3月31日に超党派の議員立法で山村振興法の一部を改正する法律案が可決・成立したわけですが、2年間の任期中全国7人の副会長の一人として、この法律に山村の現状を踏まえその振興策をいかにして書き込むべきかについて活動をしてまいりました。その議論の中で常に中心になった理念ですが、東白川のような山村は我が国の国土面積の5割を占め、国土の保全・水源かん養・自然環境の保全等多方面にわたる機能を有しています。
人口でいえば2.5%の住民が国土の50%の面積を守っていることになります。私が特に主張した点は人口減少問題と地域医療確保の問題です。人口減少については第3条で「山村への移住並びに山村における定住及び特定居住の促進、地域間交流の促進、地域社会の担い手となる人材の育成等を図ることにより、多様な人材を確保し及び育成すること」(改正法案抜粋)と改正山村振興法の目標規定として掲げられました。
次に地域医療確保については、医療確保の配慮規定において第19条で「国及び地方公共団体は、振興山村の無医地区以外において医療の提供に支障が生じている場合には、医師若しくは歯科医師又はこれを補助する看護師の確保、定期的な巡回診察、保健師の配置、振興山村に係る遠隔医療の実施、医療機関の協力体制の整備等により当該地区の医療の充実が図られるよう適切な配慮をするものとする」(改正法案抜粋)と改正法に明文化できました。
山村振興法は、山村地域の振興を目的とするすべての分野での目標や国及び地方公共団体が配慮すべき事項を法律として明文化し、国及び県・市町村が施策として振興事業や必要な補助事業などの立案や予算獲得の元になる大変大切な法律と位置付けられております。
今回、法律改正のプロセスを体験することができたことと与党自民党の委員会での意見陳述や農林水産省・総務省の担当官との議論などを重ねてまいり、貴重な経験をさせていただきました。

6月に入り村内外の各団体や第三セクターの定期総会・株主総会などが開催されます。各団体の活動に感謝するとともに、課題解決について努力してまいりたいと考えております。

「利他の心」と「反省の心」「感謝の気持ち」を学ぶ機会がありました。
なかなか聖人君子には程遠い自分ですが努力だけは続けたいと思っています。

令和7年6月
東白川村長 今井俊郎