文化 きらっと人

■大石学(おおいしまなぶ)さん
静岡市歴史博物館館長
※関連記事を表紙・本紙右欄に掲載

▽歴史文化の魅力を発信 静岡市歴史博物館
静岡市歴史博物館第2代館長の大石学さんにお話を伺いました。

―昨年4月に新館長に就任され、まもなく一年が経ちますが、静岡市とのゆかりや市の印象について教えてください。
私は、当館の開館準備の時から東京と静岡市を行き来し、お手伝いをさせていただきました。亡父が静岡市の出身であったこともあり、静岡市との縁を感じています。また、市民の皆さんと接して、穏やかで誠実な人柄と、歴史への関心が高い人が多くいらっしゃるという印象をもっています。

―静岡市歴史博物館の特徴や展示の見どころを教えてください。
当館は、徳川家康を中心に、家康を育てた今川氏や、家康が残した駿府(静岡市域)の歴史的展開をテーマにしています。発掘現場をそのまま展示した「戦国時代末期の道と石垣」の遺構をはじめ、忠実に再現した甲冑(かっちゅう)、デジタル技術を駆使した展示なども見どころです。
また、館内で自ら主体的に研究・学習できる「家康公研究室」や、ひと休みできるカフェも好評です。

―今年度は、どのようなことに力を入れていきますか。
年間4回を予定している企画展のうち、10月開催の「しずおかの古仏たち」では、地域で大切に保存されてきた仏像が博物館にやって来ます。また来年1月開催の「徳川御三卿田安徳川家」は、昨年度に寄託を受けた田安徳川家の貴重な資料を、日本で初めて間近で見ることができる本格的な展示です。さらに、土日祝日に実施している体験工作や、「わかりやすい歴史・地域のおはなし」などを通して、子どもから大人まで気軽に楽しめる博物館に育てていきたいと思います。

―市民の皆さんへ、メッセージをお願いします。
駿府城公園の玄関口にある当館が、皆さんの歴史探求の入り口となり、地域を知る場となるよう努めて参りますので、ぜひ足をお運びください。