- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県沼津市
- 広報紙名 : 広報ぬまづ 2025年5月1日号
■さあ、愛車と漕ぎ出そう。 ヘルメットと交通ルールも一緒に連れて行こう。
通勤や通学といった日常の移動や趣味のサイクリングなどさまざまなシーンで利用される自転車。身近な乗り物だからこそ、安全への意識がとても大切です。楽しく、そして安全に自転車に乗るために、ルールやマナーを改めて見直してみましょう。ちょっとした心がけが事故を防ぎ、快適なサイクルライフにつながります。
沼津市の自転車に関わる交通事故の発生件数は、年々減少傾向にあります。これは、市民一人ひとりの安全運転意識の高さによるものといえそうです。
市でも、季節ごとの交通安全運動や自転車マナー向上キャンペーンなどを通じて自転車の安全利用を呼びかけています。しかしながら、まちを行き交う自転車利用者を見るとヘルメットの着用率はまだまだ低く、いつ重大事故が発生してもおかしくありません。
皆さんも、自分自身の身を守るため、そしてまわりの人の安全のために、改めて自転車の交通ルールに目を向けてみましょう。
■あなたの自転車(パートナー)は元気ですか?
旧東海道沿い、原駅からちょっと西に進んだところにある昭和2年創業の飯田サイクルは、自転車技士と自転車安全整備士の資格を持つ飯田さんが切り盛りする「まちの自転車屋さん」です。自転車を安全で安心に乗り続けるための秘訣を伺ってきました。
飯田さんは「自転車を楽しむコツは、こまめな点検と普段から愛車を大切にする気持ちかな」と教えてくれました。
例えばタイヤの空気圧は、10日に1度のペースでチェックをするといいそうです。「最近、夏は酷暑になることが多いので、熱くなった路面からタイヤが深刻なダメージを受けています。暑い季節は特に気にかけてほしいです」と飯田さん。
また、「『ブレーキの効きがいつもと違うな』とか『走っていて違和感や異音がするな』と思ったらすぐに自転車屋さんに相談してください」とのアドバイスもいただきました。小さな変化が転倒や事故など、走行中の大きなトラブルにつながることもあるそうです。さらに「海風が強い沼津は、全国的に見ても自転車が錆(さ)びやすい地域なんです。カバーを掛けたり車庫に入れたり、保管場所にも気を使ってあげるといいですよ」とも教えてくれました。
自転車はその手軽さから、丁寧な扱いを忘れてしまうことがありますが命を乗せて走る乗り物です。
普段何気なく乗っている自転車も、日頃の手入れや心がけで長く快適に使い続けることができます。安心して自転車に乗るためにも、日常的なメンテナンスの習慣を取り入れてみましょう。
○あなたの愛車は大丈夫?空気圧をチェックしよう
空気圧のチェックはタイヤの正面ではなく側面をつまむように押してみましょう。少しへこむくらいが適正です。
■今日からはじめよう! セーフティでカッコいいサイクリスト講座
自転車を楽しむには安全であることが大前提。日頃おざなりになりがちな交通ルールやマナーを再確認してみましょう。
○「飲んだら乗るな」は自転車も。
自転車の酒気帯び運転は道路交通法で禁止されています。酒気帯び運転には3年以下の懲役または50万円以下の罰金が課されます。自転車に乗る人にお酒を勧めるのも禁止です。
○走行中のスマホは厳禁!
走行しながらスマートフォンなどで通話したり画面を注視することは禁止されており、6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金となります。スマホだけじゃなくガラケーも禁止です。
○イヤホンはNG。鼻歌はOK。
自転車で軽快に走っていると音楽を聴きたくなりますが、イヤホンを使用して運転するのは禁止されています。誰かとすれ違っても恥ずかしくない程度の鼻歌がいいかもしれません。
○自転車は軽車両。 実は馬も軽車両。
自転車は軽車両に分類され、歩道と車道の区別が有る道路では、車道の左側通行が原則です。道路標識に従い、歩行者優先で走行しましょう。ちなみに馬や人力車も軽車両に該当します。
○ヘルメット着用は自転車利用者の嗜み。
令和5年4月からすべての自転車利用者にヘルメット着用が努力義務化されました。大切な命を守るために、大人も子供も、自転車を利用する人は普段からヘルメットを着用しましょう。
○早めのライトオン!反射材も効果的。
夜間は必ずライトを点灯しましょう。ライトは前後に付けるのが原則です。
周りの車や歩行者に気づいてもらうために服や車体に反射材を付けるのも効果的です。
○雨の日はカッパがカッコいい。傘差し運転は禁止。
雨の日に傘を差しながら運転するのは非常に危険な行為であり、5万円以下の罰金が課されます。他の移動手段を検討したり、カッパを着用するなどの対策が必要です。
○仲が良くても並走はやめよう。
他の自転車との並走は禁止されています。通勤・通学時に仲の良い人と一緒に走るときでも縦列で安全に走行しましょう。
楽しいおしゃべりは職場や学校に着いてからにしましょうね。
問合せ:生活安心課
【電話】055-934-4742
■今日も楽しく安全に、行ってらっしゃい!
今回の特集では、自転車を快適に、そして安全に楽しむためのヒントを紹介しました。
自転車は、環境にやさしく、経済的で健康な身体づくりにも役立つ、いいことずくめの乗り物です。
また、単なる移動手段にとどまらず、暮らしに新しい発見や心のゆとりをもたらしてくれる存在でもあります。だからこそ交通ルールを守ることが欠かせませんし、日々のメンテナンスやマナーを意識することが大切です。
安全で安心な自転車利用は一人ひとりの意識から。「ちょっとだけなら大丈夫」。そんな小さな気の緩みが取り返しのつかない事態につながることもあります。
市内に整いつつある自転車専用通行帯などをさらに利用しやすい環境にするために、皆さんも「もっと安全に、もっと楽しく自転車と暮らそう!」という意識を高めていきましょう。
風薫る5月、ペダルを漕いで出かけてみれば、沼津がもっと好きになる発見があるはずです。安全を意識しながら、自転車と上手に付き合っていきましょう。