文化 中学生海外研修体験記

市では、国際感覚豊かな人材を育成するため、中学生の海外体験を応援する補助事業を行っています。今年は、イギリスに4人の中学生がホームステイをして貴重な体験をしてきました。4人の思い出を紹介します。

◆殷 東輝(いん とうき)
加藤学園暁秀中学校3年
僕にとってイギリスは、王室のある国であり、紳士淑女の国だった。霧のロンドン、ビッグ・ベンの鐘の音とアフタヌーンティーの慣習がある国。そして何より、本場のフィッシュアンドチップスを食べてみたい。相手の伝統や慣習、文化に対しての理解を深め、しっかり国際交流をしてくる。それが今回のボーンマスでの研修の目的だった。
ボーンマスは海辺の町であり、潮風が感じられる涼しいところだった。僕たちが通ったサウスボーンの学校は、留学している学生が英語を学ぶ場であり、人種の多様性にあふれた学校であった。さまざまな国の言語や文化を、何気ない日常の会話の中から学び取れたことが、一番の収穫であると考えている。またクラスメイトからは、日本の清潔さや治安の良さをうらやましがられ、来日を熱望されたときは、とてもうれしかった。僕も日本の文化として、茶道のお点前(てまえ)を披露する機会を「JapanNight」という日本文化交流にて得たが、抹茶を飲んだイギリスの友人たちが、その苦さに顔をしかめていたことで文化の違いを知った。食文化の交流や理解は、こんなことから始まるのかもしれない。
今回の研修を通して、僕は多様性を認め合える社会について学べたことに感謝している。この経験を活かし、これからも多くの人々との関わりの中で自分を成長させたいと考えている。

◆古 谷安奈(ふるや あんな)
熱海中学校3年
私はこの11日間を通して多くの体験をすることができました。その中で特に気づいたことが二つあります。
一つ目は、イギリスと日本の家庭のあり方の違いです。身近では近所の人が集まることはそれほどありませんが、イギリスでは毎日誰かの庭に集まって映画を見たり、子供たちでバレーボールやバスケットボールをしました。フレンドリーな雰囲気は、イギリスの家庭や人々の魅力だと思います。
二つ目は、気候の違いです。空港でイギリスに降り立った時、その寒さに驚きました。ホストファミリーに日本の冬の朝くらいの気温だと言うとびっくりした顔をしたので、日本を出たときの気温を教えるとさらに驚かれました。みんな長袖で、同じ夏でもずいぶん違うと実感しました。
他にも、町には落ち着いたお洒落な家が多く、ロンドンの伝統ある建物は豪華絢爛(ごうかけんらん)でとても美しかったです。日本語Tシャツを着た人や、日本の商品を売るお店も見かけました。ホストファミリーやその友達が、日本語の挨拶を覚えてくれたり、日本が受け入れられているようでうれしい気持ちになりました。
今回の研修を通じて、留学や国際交流の仕事に興味を持ちました。英語や海外のことをさらに学びコミュニケーションをとり、さまざまな価値観に触れて過ごしてみたいと思います。

◆野本 未紗希(のもと みさき)
熱海中学校3年
イギリスのサウスボーンで英語の授業やアクティビティ、ホームステイ先でさまざまな経験をすることができました。アクティビティでは、イギリスの有名な歴史ある建築物や銅像、クライストチャーチやロンドンなどを見学しました。日本とは異なるイギリスの街並みや観光地を楽しむ事ができました。英語の授業では、現在完了形やイギリスらしい天気のことなどについて学びました。グループ活動やゲームを行い、他国のクラスメイトとも仲を深め、会話をする事ができました。分からない単語は、聞いてみたり電子辞書で理解することができました。しかし、理解はできても、上手く会話することができませんでした。とっさに文を考えることができず、単語になってしまいます。後になってから、こうやって言えばよかったと後悔してしまう事が多かったです。
また、日本文化の紹介を行いました。想像していたより多く人が来てくれました。「日本の文化に興味を持ってくれている人が多いんだな」と思えてうれしかったです。私は書道を紹介しました。漢字は海外でも人気なようで、すごく喜んでくれていました。その他にも茶道や生け花、日本の遊びやお菓子も楽しんでくれていました。
ホストファミリーの方やホームステイしている他の子も優しく接してくれて、とても過ごしやすかったです。この留学を通して、英語を楽しんだり日本との文化や考え方の違いを感じたりすることができました。日本でもこの経験を活かして行きたいです。

◆髙橋 駿介(たかはししゅんすけ)
熱海中学校2年
僕が今回のホームステイで学んだことが三つあります。
一つ目は、日本とイギリスの文化の違いです。ホストファミリーの家に着き、ルールの説明がありました。そこで聞き取れたのが、トイレは小が3回たまったら流す、洗濯も4日ごと、という日本との違いで、「水がとても貴重なんだな」と思いました。また、寝るのは午後9時で起きるのは午前7時ぐらいで、日本と違いとても睡眠を大事にしてるなと実感しました。
二つ目は、英語と学校です。学校での授業は全て英語で、ホストファミリーとの会話も英語なので「ちゃんと言ってることを聴き取れるかな?」「ちゃんと相手に言いたいことが伝わるかな?」と思い心配でした。初めての授業は、先生の言ってることがよく分からなくて、授業についていけるかなと心配でした。でも、数日すると何となく言ってることが分かってきました。初日の午前はビーチに行きました。久しぶりにビーチに行きとても気持ちが良かったので、日本でも行きたいと思いました。学校に戻って昼食を食べましたが、昼休みが1時間ぐらいあり、ゆったりできました。日本とは違い、チャイムが鳴るまでは教室に入っては行けない決まりがあるのを授業最終日ぐらいに知りました。そして学校のチャイムは、火災ベルの音で少し驚きました。
三つ目は物価です。イギリスは日本よりも約2倍物価が高いため、買うか買わないかとても迷ったりしましたが、ピザやクロワッサン、お土産の紅茶やキーホルダーなどいろいろ買いました。お金の使い方や店員さんとのちょっとした会話などが学べてとても良い経験になりました。

問合せ:多文化共生室
【電話】0557-86-6233