くらし まちかどネットワーク

■夢の漫画家デビュー
井口十与(とよ)さん

▽きっかけはあの名作
今年1月に、小学館から漫画家としてデビューした井口さん(富士高校定時制4年)。
漫画家を志したきっかけを井口さんに伺うと、「幼い頃から漫画を読むことが好きでした。自分でもノートをコマ割りして、好きな漫画家である『藤子・F・不二雄』の漫画を参考に、独学で漫画を描いていました。中学2年生の冬休みにいつも通り漫画を読む中で、小学館のコンクールがあることを知り、初めて応募をしました。結果は選外でしたが、審査員の『心が温まる話でした』という言葉が励みになり、これからも漫画を描き続けようと思うようになりました」と話します。
漫画中心の生活をするため、高校は富士高校の定時制に進学。入学後は、学校にいるときと寝ているとき以外は、ずっと漫画を描く日々を過ごしているそうです。
7回目に挑戦したコンクールで佳作を受賞したことをきっかけに、夢だった漫画家への第一歩を踏み出しました。昨年8月には、小学館の漫画スクールで月例賞を受賞。担当編集者がつき、アドバイスなどのサポートを受けられるようになったそうです。

▽ペンネームに秘めた思い
漫画家としてのペンネームは、インパクトのある『富山フジカレー』。漫画家を目指すきっかけとなった『藤子・F・不二雄』の出身が富山県であることや、自身が富士山を見て育ったこと、好きな食べ物がカレーであることをかけ合わせて、名付けられました。
担当編集者から「一度決めたら名前は変えられない」と、アドバイスがありましたが、それでもこの名前で活動していきたいと決意したそうです。

▽これからもずっと自分の手で
作品づくりについて井口さんに伺うと、「漫画を描き上げる作業スペースは、自宅のこたつです。最近はパソコンを使って、デジタルで絵を描く人も多いですが、私は紙とペンを使って描いています。自分の手と描き慣れた紙で描き上げるからこそ、いい味の作品ができると思っているので、ずっとアナログで描いています」と話します。
漫画家としての今後の目標を伺うと、「たくさんの作品をつくり上げないと読者に覚えてもらえないので、読者に楽しんでもらえるような漫画をたくさん描いていきたいですね。目標は、月に1作品のペースです」と教えてくれました。
富山フジカレー先生の今後の活躍に、目が離せません。