- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県袋井市
- 広報紙名 : 広報ふくろい 令和7年9月号
■袋井で共生する私たち
日本人も外国人も暮らしやすいまちづくりのために、私たちができることは…?
日本人に親しみを感じている外国人市民:73.5%
外国人に親しみを感じている日本人市民:42.9%
日本語教室や企業で多くの外国人に日本語を教えるなど、普段から多くの外国人と関わる市内在住の袋井市地域日本語教育コーディネーター・髙山晃さんに、外国人と接するときのポイントを伺いました。
◆難しい言葉は不要!まずはあいさつから
▽「あの外国人」から「○○さん」へ
私は通りがかりの外国人に積極的にあいさつをしていますが、あなたは、知らない外国人に「こんにちは」と声を掛けたら、どれくらいの人が返してくれると思いますか?実は、なんと9割の方は返してくれます。
日本語で会話ができなくても、あいさつならできるという人は多いです。まずは、コミュニケーションの基本であるあいさつをしてみましょう。
あいさつできる関係になったら、出身国や名前を聞けるといいですね。「あの外国人」という存在から「○○さん」という1人の人間として意識できるようになります。
▽「押し付け」と思われないために
ルールを守らない外国人には、日本のルールを理解してもらうことが必要ですが、「押しつけられている」と思われてしまうかもしれません。
そこで、伝える際は「あなたの国ではどうですか?」と聞いてみましょう。多くの外国人は、出身国の話を快く話してくれます。そうしたら話にぜひ耳を傾けてください。日本人側にも新たな気付きをもたらしてくれます。こういった一歩踏み込んだコミュニケーションで、お互いの距離がぐっと近づきますね。
▽ちょっとした会話が「居場所感」に
日本で生活する外国人は、異国の地でいわば「少数派」として生活しています。日本での暮らしに適応するために日本語や日本のルールを学ぶなど、懸命に頑張っている人が多いです。「多数派」である日本人とのちょっとした会話は、外国人の皆さんにとって「ここにいていいんだ」と安心できる「居場所感」につながります。
この「居場所感」を多くの外国人市民に感じてもらえたら、袋井市の多文化共生は「成功」へ大きく一歩近づくのではないでしょうか。
■私たち、袋井が好きです。
本特集で紹介した外国人の皆さんは、「日本語を上手に話せるようになりたい」「袋井の自然が好き」など、それぞれの形で日本人、そして袋井市への思いを持っていました。
令和4年度に市が実施した「多文化共生に関する日本人市民意識調査・外国人市民実態調査」では、外国人市民の73・5%が、日本人に親しみを感じていることがわかっています。
一方、外国人に親しみを感じている日本人市民は42・9%。約30ポイントのギャップがあることがわかり、双方の意識の差が浮き彫りとなりました。
言葉も文化も異なる外国人に、いきなり親しみを感じるのは難しいことです。しかし、「ごみ出しの際に会った近所の外国人にあいさつをしてみる」、また「コンビニでレジ対応をしてくれた外国人の店員さんに『ありがとう』と声を掛けてみる」など、少しだけ相手に配慮した、やさしい気持ちで接することができれば、目の前の外国人も自分も笑顔になれるかもしれません。そうすれば、自然と親しみが湧き出て、相手を「知ってみる」きっかけになるでしょう。
外国人だけでなく、私たちは一人一人、生まれ育った環境も考え方も違う、「異文化」を持つ存在です。
まずは相手を知り、互いの違いを認め合い、尊重することが、誰もがいきいきと暮らせる「多文化共生社会の実現」につながります。
■最後に…
市では、「世界!!びっくり・ふしぎ・ほっこりエピソード」と題して、日本人と外国人が日常生活で相互に「びっくり」「ふしぎ」「ほっこり」した話を募集しました。来年1月に開催予定のエピソードの展示会に先立ち、心温まるエピソードの一部をご紹介します。
・子どもが年中の頃まで同じ園にいたブラジル国籍の子が、年長で転園。ママ同士はあいさつのみの交流だったが、久しぶりにスーパーで再会したら、なんだか嬉しくてママ同士でハグ。それから会うたびに、お店の中でハグをしてます。
・息子が中学生の頃、駅の階段を降りる時、外国の方とぶつかって転倒。息子は「Sorry」と、相手は「ごめんなさい」と、互いに気遣い、相手の国の言葉を使って気持ちを伝えていました。
問合せ:
・多文化共生推進課多文化共生係【電話】44-3138
・企画政策課シティプロモーション室【電話】44-3104