- 発行日 :
- 自治体名 : 静岡県御前崎市
- 広報紙名 : 広報おまえざき 令和7年10月号
■第10回ひろしまジュニア国際フォーラムに参加
内田 あおいさん
戦後80年を迎えた本年、8月14日から18日にかけて、広島県で「第10回ひろしまジュニア国際フォーラム」が開催された。フォーラムは、国内外の高校生などが国際平和について討議や交流などを実施し、平和のメッセージを世界に発信することを通じて、次世代の人材を育成することを目的に開催されている。
広島県内や外国人の学生に加え、全国の応募者の中から8人しか参加できないこのフォーラムに、静岡サレジオ高等学校に通う内田あおいさん(新野南)が、県内唯一の合格者として参加した。
◇机上では得られない経験
校内活動の中で、戦争や児童労働、貧困など世界の課題に関心を抱いていたあおいさん。自ら応募を決め、6月からスタートした書類・面接審査やオンライン会議などの事前学習プログラムに臨んだ。世界各国に参加者がいるため交流は全て英語で、専門的用語に苦戦する場面もあったという。
現地では、広島平和記念資料館の視察や参加者で作成した「広島宣言」の発表のほか、核兵器廃絶や復興、平和構築に関する講義とグループディスカッションなどが実施された。
特に印象に残っているのは、被ばく者による講話と世界各地の仲間との交流。あおいさんは「体験談は、机上の学びでは得られないものでした。これまでは漠然と平和を願っていましたが、被ばく者や核兵器保有国に住む人など多様な視点から物事を見つめることで、自分がどんな考えを持つべきか深く考えることができました」と遠くを見つめる。さらに、「SNS時代である今こそ、知ること・考えることを、教育の観点から底上げするための仕組みづくりが必要だと感じます」と問題提起する。
◇国際問題に向き合いたい
将来は海外とつながる職につき、多くの人に貢献したいというあおいさん。「英語の学びを深め、さまざまな知見を広げたい」と意欲を見せる姿に、世界の架け橋として活躍する未来が期待される。
◇PROFILE
うちだ あおい(新野南・16歳)
被ばく者講演における「悲しみは今も生きている。平和は何にも変えられない大切なもの」というメッセージに心が震えたという。「核兵器を使用することは一瞬だけど、その一瞬が人々の人生を大きく変えてしまう恐ろしさを感じた」と話す。
