くらし 《特集》令和7年度 小牧市 市長施政方針と予算(3)

◆財政運営
これまで本市は、堅調な市税収入に支えられて全国でも屈指の健全財政を維持してまいりましたが、少子高齢化の進行、社会保障関連経費の増加、および国の施策による支出の増加などにより、健全性は保ちつつも厳しさを増す状況については、毎年施政方針の中で強く危惧している旨を申し上げてまいりました。人件費の上昇や物価高騰に伴う委託料の増加、高齢化の進行や福祉の多様化に伴う扶助費や繰出金等の増加は今後も続くことが見込まれ、経常的経費の上昇は続くものと考えております。加えて、学校等の施設整備費や、施設老朽化に伴う大規模改修費用の増加などにより、財政需要はさらに高まっていくことが見込まれます。
増加が見込まれる歳出に対して、それを賄う歳入の根幹である市税収入につきましては、景気変動に伴う一時的な好転やインフレによる名目的な増加はあっても、人口減少や少子高齢化の進行に伴う生産年齢人口の減少などを考えると、今後大きな伸びは容易に期待できないところです。
社会保障関連経費の増加は、高齢化の進行に伴う医療費の増加や、国民健康保険制度の構造的な問題などを背景としており、人口規模や年齢構成などにより影響額に差はあるものの、全国共通の課題であります。
また、近年の国の施策に伴う事業の中には、地方への財源措置を交付税措置としている事業が多数あります。こうした事業の実施にあたっては、普通交付税の不交付団体である本市は一般財源を投入せざるを得ない状況であり、財政の硬直化が進む大きな要因となっております。
これらの問題は、一地方自治体である本市のみで解決できるものではなく、本市としては、国に対して、全国市長会など様々な機会を捉えて、状況の改善に向けて強く働きかけを行っているところであります。
社会保障関連経費の増加や人件費の上昇、さらには近年の制度改正や国の政策などにより、普通交付税の不交付団体である本市の財政状況は、急速に余力を失いつつあります。
このように、歳入の根幹である市税収入の見通しは厳しい一方で、経常的経費の増加は続く見込みであり、財政状況が今後さらに厳しくなる見通しの中で今後も力強く市民の生活をお支えしていくためには、行政改革のスピードをさらに上げていく必要がありますが、効率的・効果的な行政運営への改革の中には市民サービスの向上に逆行する部分もあり得ることから、市民の皆様の一層のご理解を頂戴しつつ、将来の小牧市に必要となる事業について選択と集中を加速し、より効果の高い財源配分とするとともに、財政状況の改善に取り組んでいかなくてはならないと考えております。

■令和7年度 小牧市の予算
◆一般会計
703億5,600万円 (前年度比12.7%増)

特別会計 282億4,778万円 (前年度比 1.2%減)
企業会計 385億4,857万円 (前年度比 2.6%減)
全会計合計 1,371億5,235万円 (前年度比 5.0%増)

◆一般会計の歳入

◆歳入予算の特徴
○市税収入が、対前年度当初比4.7%増となりました。
⇒個人市民税および固定資産税を増収と見込んだことなどによる

○国庫支出金が、対前年度当初比47.6%増となりました。
⇒児童手当交付金や物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の増などによる

○寄附金が、対前年度当初比82.9%増となりました。
⇒こまき応援寄附金の増などによる

○諸収入が、対前年度当初比55.5%増となりました。
⇒消防指令センター共同運用事業負担金の増などによる

◆一般会計の歳出

◆歳出予算の特徴
○民生費が、対前年度当初比15.6%増となりました。
⇒児童手当支給事業の増などによる

○消防費が、対前年度当初比40.7%増となりました。
⇒消防指令センター共同運用事業の増などによる

○教育費が、対前年度当初比8.7%増となりました。
⇒米野小学校改築事業の増などによる

※詳しくは本紙8ページから9ページ、またはPDF版をご覧ください。