- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県新城市
- 広報紙名 : 広報しんしろ ほのか 令和7年4月号
学校は、子どもたちが成長していく大切な場です。
少子化が急速に進む中、新城市で育つ子どもたちにとって、望ましい教育環境はどうあるべきでしょうか。今後の児童数・生徒数の減少を見据え、市教育委員会は、市内小中学校における『望ましい教育環境に関する基本的な考え』を提案します。これからの学校のあり方について、市民の皆さんと考える時期を迎えています。
■小中学校の現状と今後想定される状況
◇小学校
市内には13の小学校があり、全校児童数が約10人の学校から500人を超える学校まで、さまざまな規模の学校があります。その内、1学年1学級の学校が7校あり、2学年が1学級となって1つの教室で学習する「複式学級」を有する学校が2校あります。
小規模校には、小規模校ならではのよさがあります。授業や行事など、あらゆる場面で、すべての子どもが主役になれ、子ども同士の結びつきが強く、異学年の子どもとのつながりも深まります。また、教師が一人一人の子どもをよく理解することができます。
一方、子どもの数が多い学校では、学級の中で多様な意見や考えにふれることができ、さまざまな考え方を学ぶことができます。また、集団の中で子どもが協力し合い、高め合う機会に恵まれ、日常的に互いに切磋琢磨しながら成長することができます。
市内全ての学校で子どもの数が減少してきましたが、それに加え、新型コロナウイルス感染症の流行により、出生数が大幅に減少しました。令和2年度から令和5年度の4年間における市全体の年間平均出生数は175人で、この数は現在の小学校高学年の児童数の約半分です。そのため、今後数年で、学校によっては、全校児童数が現在の半数にも満たない状況が生まれます。
子どもは、仲間と過ごすことで社会性を培い、自己の成長につなげていくことができます。しかし、学級の子どもの数があまりにも少なくなると、話し合いや合唱、チームスポーツなどを行うことが難しくなり、社会性を育んだり、多様性にふれたりする機会を得にくくなります。
・「令和6年度児童数」と「令和12年度予想される児童数」
◇中学校
小学校の児童数が減少すれば、その数年後には中学校でも同じ状況が生まれます。現在は1学年に複数の学級がある中学校も、近い将来、1学年1学級になります。
・「令和6年度生徒数」と「令和12、18年度予想される生徒数」
少人数の固定化された人間関係が9年間続くことは、必ずしもよい教育環境であるとは言えません。
広大な面積を持つ本市においては、通学に関わることなど、解決すべき課題も多くありますが、いろいろな仲間と学校生活を送る中で、子どもたち一人一人の成長を保障し、高校進学後や社会人となってからの生活につなげられるように配慮する必要があります。
・中学校の「予想される学級編成」
表の数字はクラス数です。