- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県新城市
- 広報紙名 : 広報しんしろ ほのか 令和7年4月号
今回は骨粗しょう症のお話しです。日本には、骨粗しょう症患者が約1000万人いるといわれています。男性も女性も年齢と共に骨密度は低下しますが、特に閉経後の女性は骨密度の低下が進み、骨粗しょう症に至ることがあります。骨粗しょう症によって腰椎圧迫骨折や大腿骨頚部骨折などに至ることがあります。そのため、骨粗しょう症に至る前の治療が必要です。
骨粗しょう症の検査は、DXA法と呼ばれるレントゲンを使った検査が最も精度が高く、市民病院でも行われています。検査時間は撮影する部位によりますが、5~10分程度です。人間ドックや検診時にオプションで追加することもできます。
骨粗しょう症に対しては様々な治療法がありますが、軽症であれば運動療法と食事によって骨密度の低下を防ぐことができます。運動療法では運動強度が強いほど効果があります。運動に伴う合併症に注意しながら、重力に逆らって体を動かすことが骨粗しょう症の予防につながります。食事で気を付けることは、(1)バランス良く食べること。(2)骨の成分であるカルシウムを摂ること。(3)(活性型)ビタミンDを摂ることです。ビタミンDは腸管からカルシウムの吸収を助けて骨の細胞の働きを促進します。骨密度の増加効果に加えて筋力も高めるので、中高年者にとても重要な栄養素です。ビタミンDは日光を浴びることで体内でも生成されますので、日中のお散歩などは骨と筋肉、更に心にも効果がありお勧めです。
文責:名古屋大学大学院 医学系研究科 人間拡張・手の外科学 教授 山本美知郎
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