くらし とよあけの自然

至(いた)る場所によく見られるアヤメ科
◆ニワゼキショウ

ニワゼキショウは北米・テキサス州原産、アヤメ科ニワゼキショウ属の多年草です。明治時代に日本へ持ち込まれたものが野生化して今日に至っているそうです。草丈(くさたけ)は10~20cmしかありませんが、幅2mmほどの細長い剣状(つるぎじょう)の葉は、小さいけれど立派なアヤメ科の仲間です。オオイヌノフグリやカラスノエンドウなど春を告げる花が一段落して、明るい草原、芝生、アスファルトの割れ目のような所でも日当たりのよい場所に薄いピンクや紫色で星形に似た花弁を開きます。草丈は高くなっても20cm程度、薄いピンクの花弁が中心に向かって色濃くなり、中心は黄色というものと、全体的に紫色で中心が黄色いものの2つのパターンをよく見かけます。花は1日で萎(しお)れてしまいますが、次々を咲かせるので花期は意外と長いです。花の後に丸い果実ができ、そこから種がこぼれて増えます。
名前は葉が石菖(せきしょう)によく似ていることが由来のようですが、ニワゼキショウはアヤメ科で、セキショウはショウブ科なので違う仲間となります。
同じ仲間のオオニワゼキショウは、ニワゼキショウより背が高く、ひょろひょろして見えます。花は一回り小さく、まばらにつくので、咲いていても目立ちません。

豊明市史(自然)編集員 小笠原 昇一

※写真は広報紙34ページをご覧ください。