- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県武豊町
- 広報紙名 : 広報たけとよ 2025年4月号
歴史民俗資料館の学芸員・田中が町にまつわる歴史や文化等を紹介するコーナーです。
◆6月に祭礼をやっていた?
知多半島では4月になると各地で祭礼が行われます。武豊町でも町を歩けば祭囃子が聞こえ、通行止めの看板を目にして祭りの季節を感じます。
しかし、江戸時代の資料によると、武雄神社の例祭は6月に行われていたと記録されています。天保14年成立の『尾張志(おわりし)』には、武雄神社が「天王」と記され、尾張津島牛頭天王社(おわりつしまごずてんのうしゃ)(津島神社)との関係がうかがえます。さらに境内には弥五郎殿(やごろうでん)と居守社が祀られており、津島との深いつながりが考えられ、江戸時代までは天王祭として6月に行われていたのではないでしょうか。
元来が天王祭であれば、大足地区のように長尾地区でも煙火が盛んに打ち上げられていたかもしれません。
明治時代には、周辺地域と同様に神武祭に合わせて行われるようになりました。知多半島だけでなく、尾張各地の伝統を受け継ぎ、特色ある祭礼が形作られたのです。
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