- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県津市
- 広報紙名 : 広報つ! 令和7年8月号
◆“書く文化”を継承する唯一無二の場所へ
明治37年創業のミフジは、二度の大戦や不況、デジタル化など、時代の波を乗り越えてきた紙と文具を扱う老舗店だ。入社わずか数年で先代社長である父の予期せぬ急逝に直面した三藤さん。折しもコロナのパンデミックで経済活動が停止する渦中、「文具を売るだけで、ミフジは地元から愛され続けられるか」「地域の活気を取り戻す拠点になれるのか」と自問した。
この問いへの挑戦が令和5年の大規模なリニューアルだった。自然と人が集うまちづくりの拠点となり、地元へ貢献するため、まずは自らが変わらねばならないと、店舗を「見る・書ける・学べる」空間に生まれ変わらせた。その象徴が、国内外のペン約1300種類1万本以上が並ぶ圧巻の「ペンウォール」。ペン本来の魅力が最大限に伝わるよう、1本1本が輝くディスプレーとなっている。全種、自由に試し書きができ、紙に文字を刻む感覚そのものを体験できる。他にも紙やインクの特性を学べる実験コーナー、窓ガラスへ自由に絵を描けるエリアなど、訪れるだけで新たな発見につながる工夫を随所にちりばめた。
三藤さんが目指すのは、書くという文化の継承。「デジタルが当たり前の今だからこそ、子どもたちに紙とペンで表現する楽しさを伝えたい。地域に根ざしたこの場所が、“書く文化”を育む場となるように」
ミフジ代表取締役 三藤(みふじ) 友喜(ゆうき)さん
1986年生まれ。明治大学卒業後、東京での企業勤めを経て、2012年、ミフジ株式会社に入社。2020年、5代目代表取締役に就任。ギター演奏・音楽鑑賞・Namiki万年筆をこよなく愛す。
・店内BGMはお気に入り曲からチョイス♪
・試し書き用紙に描かれた芸術的な落書きは額装して展示
※詳しくは本紙をご覧ください。