くらし 津市(このまち)で輝く vol.106

◆オモロイこと、田んぼから広げよう!
古くから農の恵みを育んできた大里睦合町。2016年、エンジニアから農家へ転身した辻さんは、この地に広がる20haの水田で、デジタル技術を活用した米作りを始めた。ドローンによる生育状況の把握や肥料散布など、いわゆる”スマート農業”を稲作に導入。従業員がスマートフォンを片手に水田をパトロールし、インターネット上で農作業の計画・記録・分析をリアルタイムで共有する”田んぼのIoT”も進める。
「スマート農業というと最先端に聞こえますが、農業では昔からさまざまな形でテクノロジーが活用されてきました。先人の知恵と革新的な技術を組み合わせることで、農業はもっと面白くなると思うんです」。作業負担や担い手不足、高齢化など、日本の農業が抱える課題に解決策をもたらすかもしれないと、頭上に舞うドローンが未来を描く。
効率と楽しさ、そして味にこだわったスマートな米作りを追及する中で、辻さんは田んぼを飛び出し、異業種とのつながりも広げてきた。今では大学や企業と米の研究をしながら、週末は食と音楽のイベントを開催。農業体験ができる民泊事業も始めた。「ただ、おいしい米が食べたかっただけなんですけどね」と多忙な日々を笑う。先人から受け継いだ津市の大地に、新しい農業のかたちが根を張ろうとしている。

つじ農園 代表取締役 辻 武史さん
1976年、津市大里睦合町生まれ。大学卒業後、精密機械メーカー勤務を経て津市で就農。第1回スマートファーマーアワード優秀賞、第82回中日農業賞特別賞を受賞。イチオシのご飯のお供は生卵と昆布!
・めっちゃおかずが進むお米を作りたい
・田んぼの相棒は10機以上のドローンたち
※詳しくは本紙をご覧ください。