子育て まちを愛し、まちを元気に ナバリスト19

林みち子(はやし・みちこ)さん 助産師相談室いのちのかがやき
助産師歴27年。2児の母。森川病院で8年間勤務し、約800人の分娩介助に携わる。現在は名張市と伊賀市で産後の授乳育児相談を中心に活動。子どもから大人まで、「いのち」のすばらしさを伝えようと、全国各地で年間120件にのぼる講演を行っている。

■生きているだけで百点満点
看護実習で初めてお産を目の当たりにし、苦しむ妊婦さんの背中を必死でさすり続けました。「あなたのように支えてくれる人がいるなら、もう一人産んでもいいかな」。その一言が助産師となるきっかけとなり、病院勤務の8年間で800人もの分娩介助を経験させていただきました。この世に生まれるいのちの温かさを一生忘れません。
私自身のお産はというと、思い描いた理想とはほど遠いものに。「うまくいかなかった」と、悔やむうちに、育児がしんどくなっていって…。両親をはじめ、助けてくれる人がいなかったらと思うと、ぞっとします。それに、理想を追い求めると、自分を追い詰めてしまうのだと痛感しました。
育児の失敗談を話せば、笑いと共感を呼びます。「ああ、これでいいんだ」と思ってほしい。素の私をみてもらって、「『ただ4しい』育児より『たの4しい』育児をしましょうよ」と呼びかけています。学生などには、「ただ4しい人生」以上に、「たの4しい人生」を歩んでほしいという話をします。「自分に自信が無い」、「やりたいことを諦める」。そんな子たちに「これからの人生、いっぱい楽しいことがあるんだよ」って伝えたいんです。
直径0・13ミリの受精卵は、まさに奇跡の結晶。生まれてきただけで、周りを幸せと喜びに包んでくれるんです。もう、生きているだけで百点満点なんですよね!皆さんも、自分で自分を認めてあげてほしいな。あなたが笑顔になれば、きっと周りの人も笑顔になれるんですから。