くらし 【特集】選挙

■今年は選挙制度の節目の年
令和7年は、日本の選挙制度にとって節目の年と言えることをご存じでしょうか。今年は、25歳以上のすべての男子が選挙に参加できるようになった普通選挙法が公布されてからちょうど100年。そして、女性が選挙権を得て女性参政権が実現してから80年、さらに選挙に行ける年齢が18歳に引き下げられた公職選挙法の改正から10年目を迎えました。私たちが性別や納税額に関係なく、誰もが平等に一票を投じられるのは、これまで多くの人が努力を重ねてきたおかげです。また、選挙が公平に行われている裏側には、たくさんの人々の支えがあります。今回の特集では、選挙制度の歴史や選挙を支える方々を紹介します。この機会に、選挙について改めて考えてみませんか?

■選挙権の拡大と投票率
私たちが投じる「一票」、この一票には、幾多の時代のうねりと人々の願いが積み重ねられています。1925年(大正14年)、大きな政治的転換点となった「普通選挙法」が公布されました。それまでの選挙制度は、納税額によって選挙権が決められており、限られた人しか国政に参加できませんでした。しかし、普通選挙法の成立により、満25歳以上のすべての男子に選挙権が認められるようになり、有権者の数は大きく増加しました。

▽年代別投票率の推移

日本で女性に選挙権が認められたのは戦後の1945年(昭和20年)であり、初めて女性が投票した翌年4月の総選挙では、39名の女性が国会議員として選ばれました。さらに2015年(平成27年)には70年ぶりに公職選挙法が改正され、選挙権年齢が18歳へ引き下げられました。この改正は、若者の声をより政治に反映させることを目指したものと言えますが、若年層の投票率は他の世代に比べて低い状況にあり、全国的な課題となっています。そこでここからは、若い世代の方々はもちろん、すべての町民の皆さんに選挙への関心を高めてもらうため、選挙の啓発活動や投票所の運営など、町の選挙に携わる方々を紹介します。

▽選挙権の拡大と有権者数(割合)の推移
出典:(公財)明るい選挙推進協議会

◆菰野町明るい選挙推進協議会
選挙制度を正しく理解し、自身の暮らしに関わる身近な問題として考えていただけるように選挙啓発を行っているのが「菰野町明るい選挙推進協議会」の皆さんです。町では、各地区区長会長から推薦を受けた15名で構成し活動しています。
投票率の向上を目指し、各種選挙執行時に町内で啓発活動を実施していただいているほか、投票立会人として、公正な投票の監視役としてご尽力いただいています。

[INTERVIEW]菰野町明るい選挙推進協議会 会長 杉野(すぎの)直美(なおみ)さん
明るい選挙推進協議会の委員として約10年間、選挙に携わってきたなかで、18歳から投票が可能となってから、若い世代が投票所を訪れる姿を目にする機会が増えたと感じます。しかし、全体の投票率は依然として低下傾向にあります。この現状を少しでも変えるためには、選挙を日常の大切な一部として捉える意識を育むことが重要です。投票の際は、ぜひご家族そろって投票所へお越しください。幼い子どもにも選挙に行く姿を見せることにより、自然と関心が育まれることを願っています。地域の未来をともに築く第一歩として、皆さまの一票を大切にしていただければ幸いです。

◆菰野町選挙管理委員会
皆さんの大切な一票が、公正・適正に取り扱われるよう選挙に関する事務を管理するのが「選挙管理委員会」です。町の選挙管理委員会は、町長選挙や町議会議員選挙、県政選挙、国政選挙において、選挙人名簿の作成・管理、投票所の準備、開票などの事務を執り行っています。特定の政党や団体に偏ることなく、常に中立公正な立場で、町民の皆さんが安心して投票できる環境を整えています。

[INTERVIEW]菰野町選挙管理委員会 委員長 清水(しみず)勲(いさお)さん
私も投票立会人の業務に携わることがありますが、投票者の方から「ご苦労様」と声をかけていただけることがあり、長時間の立ち合いの中でうれしく思う機会もあります。投票率向上のため、菰野町明るい選挙推進協議会の皆さんにご協力いただき、啓発活動などを行っております。投票率が低いことが悪いことではありませんが、普通選挙法が公布されてから100年という節目の年、ご自身の暮らしに関係する代表者などを選ぶ機会である「選挙」に少しでも関心を持っていただければと思っています。

◎明るい選挙キャラクター 選挙のめいすいくん
「めいすいくん」は、明るい選挙のイメージキャラクターです。投票箱をモチーフにしており、頭部の2本の縦線は、投票用紙投入口を表し、しっぽは投票箱の鍵を表しています。また、明るい選挙の実現に向かうため、背中に羽がついています。

◎選挙に携わってみませんか? 投票立会人&期日前投票受付事務従事者
投票立会人は、投票所で有権者の方々が一票を投じる姿を見守り、選挙が公正に行われるようその中立性を保つ重要な役割を担っています。各投票所に最低2人の投票立会人がいないと、投票を受け付けることができません。
期日前投票所で、投票に来た方を案内したり、投票用紙を交付したりするのが受付事務従事者です。選挙の運営に携わっていただくことで、その経験を多くの方に伝えていただければと考えています。
※投票立会人は選挙人名簿に掲載されている方に限ります。

問い合わせ:菰野町選挙管理委員会
【電話】391-1101
【FAX】394-3199

今回紹介した菰野町明るい選挙推進協議会、選挙管理委員会や投票立会人、開票立会人、ポスター掲示場などで土地等の借用にご協力いただいている皆さんなど多くの方に支えられて選挙は行われています。選挙とは、候補者と有権者だけで成立するものではなく、支える人がいてこそ、民主主義の根幹が保たれています。そのことを今一度、私たち一人ひとりが心に留めておくとともに、未来のよりよい社会の第一歩につながる皆さんの一票について考えていただきたいです。

【三重県知事選挙】
9.7(日)SUN 7:00~20:00
▽期日前・不在者投票期間
8月22日(金)~9月6日(土)
役場本庁2階
8:30~20:00

8月23日(土)は、三滝川燈火まつり&盆踊り大会が行われるため、役場本庁周辺の混雑が予想されます。