- 発行日 :
- 自治体名 : 滋賀県草津市
- 広報紙名 : 広報くさつ 令和7年4月号
■「あなたの性別は何ですか?」
そう聞かれたとき、皆さんはどう答えますか?体が男だから男、体が女だから女。世の中にはそう答える人もいれば、違う答えを持つ人もいます。よく分からない、決められない、単純に答えることが難しいと感じる人もいるのです。
今の社会では、体の性別と異なる答えを口にするのは、まだ容易なことではありません。信じてもらえないことがあります。好奇な目で見られることもあります。でも、自分にうそをつかないで生きていくこともできます。
私たちは学校、職場、地域社会の中で、私たちはすでに皆さんと一緒に生きています。
これは、あるトランスジェンダー(心の性と体の性が一致していない人)の言葉です。皆さんは、この声を読んでどう思いますか。
市では、市民一人一人が人権を尊重し、多様な価値観や生き方を認め合える社会の実現をめざす「草津市パートナーシップ宣誓制度」を開始して一年が経ちました。
この制度は、戸籍上の性別にとらわれず、お互いを人生のパートナーとして助け合い、協力し合って生活を共にすると約束した、一方または双方が性的マイノリティである二人が、市長に対してパートナーシップである旨の宣誓をし、市が宣誓書受領証や宣誓書受領証カードを交付するものです。
この受領証などは、提示などにより法律上の結婚と同等の効果(相続、税金の控除など)が生じるものではありませんが、この制度を通して、性の多様性や性的マイノリティへの理解が深まり、誰もが人生のパートナーと安心して暮らすことのできる社会の実現をめざしていきます。現在、パートナーシップ制度は、滋賀県内では、県をはじめ草津市、彦根市、近江八幡市、米原市、長浜市、甲賀市が導入しています。全国では昨年6月時点で459自治体が導入しているとの調査結果があります。
誰を好きになるのか、自分の性別をどう認識するのかは人それぞれです。「男性だから男性を恋愛の対象にするのはおかしい」「体が女性なのだから女性でしょ」など、自分の価値観や経験を基にひとくくりにした見方をし、それが普通だと考えるのは間違っています。
市では町内学習懇談会、啓発冊子などの人権の学びを通して、性的マイノリティへの理解は深まってきました。しかし、一方で「自分とは関係ない」「自分の周りにはいない」という無関心な人たちの意識や言動が、当事者の人たちを苦しめています。また、性的マイノリティを笑いのネタにする〝病気〟〝特別な人〟〝私たちとは違う〟といったうわさや偏見など、数多くの誤った情報が飛び交い、それがいつの間にか本当のこととして広がり、信じられている例が後を絶ちません。少し立ち止まって考えることができれば、おかしいと気付くことがたくさんあるはずです。そのためには、町内学習懇談会などの人権の学びを通して、一人一人が感性を磨き、人権感覚を更新していくことが必要です。
4月は新しい出会いの月です。困っている人、悩んでいる人があなたの隣にいるかもしれません。その人自身の姿や思いに寄り添い、誰もが自分らしく生きていける草津市を、私たち一人一人が力を合わせてつくっていきたいものです。
問合せ:人権センター(大路二、キラリエ草津3階)
【電話】563-1177
【FAX】563-7070