くらし 特集 暮らしにデジタル、ちょっといい感じ。
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- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府福知山市
- 広報紙名 : 広報ふくちやま 2025年9月号
私たちの身近なところで、デジタル技術はたくさん活用されています。今月号では9月26日(金)、27日(土)に福知山市で初開催の「北京都デジタルパーク2025」と、デジタルパークに参加する人々の取り組みを紹介します。日常がちょっとラクになる「デジタルの世界」をのぞいてみませんか。
福知山公立大学情報学部4年生
合同会社Gel-banana代表 服部凌(はっとりりょう)さん
■人のつながりとAIで新しい風を
○デジタルには、ちょっとした便利さや楽しさがある
福知山公立大学情報学部4年の服部凌(はっとりりょう)さんは、今年5月、新町商店街に利用無料のコワーキングスペース「Tsunaga Room(ツナガルーム)」をオープンしました。この部屋は、飲料の無人販売や、人を感知するセンサーで空席を把握、営業時間に合わせて空調や鍵(試験中)を自動管理するなど、様々なデジタル技術が詰まっています。
服部さんは、「ここは一見アナログな空間に見えるけど、システムの力で半無人運営ができる部屋です。面白いでしょう。誰でも入れるので、様々な交流が生まれてほしいなと思っています」と笑顔を見せます。
大学の仲間と立ち上げた合同会社Gel-banana(ゲルバナナ)は、「人々のつながりとAIの力で、地域に新しい未来を」をコンセプトに活動。北近畿の団体から情報関連の事業を依頼されて行っているほか、クラウドファンディングなどで資金を集め、多くの人の協力を得ながらこの部屋を創り上げました。
「デジタルって、難しそうと思われがちです。最初は、ちょっとした便利さや楽しさに気づいてもらい、部屋を使ううちに『デジタルを取り入れようかな』と思ってもらえたら嬉しいです」
服部さんは、デジタルパークにも参加します。当日への期待を語ります。
「デジタルで地域を元気にしたいと思って福知山に来たので、たくさんの人とつながれたらと思っています。会場でぜひ話しかけてください。ちょっとしたデジタルの相談も大歓迎です」
■毛原の住民をデジタルでつなぐ
○「Wi-Fi(ワイファイ)って何なん?」からみんなでスタート
福知山市大江町毛原(けはら)は全12戸25人の小さな集落です。今、毛原でデジタル技術が暮らしに〝ちょっといい〟変化をもたらしています。
毛原の特産品加工所「毛楽里(けらり)」の皆さんは、スマートフォンでの共有カレンダーやLINE(ライン)グループの活用で、作業日やイベントの連絡が便利になったと言います。
「電話で連絡していた頃と比べると、日程の伝え漏れがなくなりました」
また、毛原の全戸にはスマートスピーカー、集落全体にはインターネットにつなぐためのWi-Fiの電波が飛んでいます。自治会長の水口一也(みずぐちかずや)さんはこう語ります。
「スマートスピーカーは、地域の情報共有のために導入しました。話しかけるとインターネットの情報や、登録しておいた情報を答えてくれます」
毛楽里の皆さんは、「最初は、『Wi-Fiって何なん?』というところからみんなで勉強しました。スマートスピーカーは、地域の行事や回覧板が表示されたり、天気やごみの日を聞いたりできます」
では一番便利な機能は?
「音楽を聞くのに一番使ってますね。地蔵盆では『般若心経、流して』と話しかけました」と笑い合います。
「今思えば、少しずつデジタルが生活の中に入り込んできてますね」
○毛原の次の挑戦はデジタルお米通貨と無人販売機
2022年には、毛原の特産品が買えるデジタル地域通貨「けーら」を、福知山公立大学と連携して発行しました。
さらに「けーら」で出てきた課題を解決すべく、公立大学と共に、単位を「お米」にした「デジタルお米通貨」の開発にも挑戦中。地域特産品の無人販売機などの実証実験を来年の春には、と意気込んでいます。
デジタルパークでは、水口一也さんが毛原の事例を発表します。皆さんも、〝ちょっといい感じ〟な毛原の挑戦を聞きに来ませんか。