くらし 《特集》動く!新市街地プロジェクト(1)

5月27日、田辺北土地区画整理事業の起工式が事業地で行われました。組合の理事長や市長など関係者9人は「エイ!」というかけ声に合わせて鍬を入れ、工事の安全と事業の成功を祈願しました。

「緑豊かで健康な文化田園都市」というフレーズを目や耳にしたことはありませんか?これは市が目指す都市像で、豊かな自然に囲まれながらも職住が近接したコンパクトなまちを表しており、約40年間にわたって、これを指針としたまちづくりを展開しています。

〔コンパクトなまちづくり〕
水道・道路などのインフラ・行政サービス・経済活動などの効率性や生活利便性を高めるため、鉄道駅周辺に都市機能を集約させる考えを「コンパクトシティ」といいます。本市では、市の最上位計画である「第4次総合計画」や、まちづくりの基本方針を定めた「都市計画マスタープラン」において、まちの中心拠点に定めているJR京田辺駅・近鉄新田辺駅周辺への集約を特に重視しています。

〔中心拠点に新たな市街地が誕生〕
JR京田辺駅北側に広がる約16ヘクタール(甲子園球場約4個分)の農地などの地権者でつくる京田辺市田辺北土地区画整理組合は、市の支援を受けながら、このまちの中心拠点に新たな魅力的な市街地を誕生させるプロジェクトを進めています。今号では、本プロジェクトの詳細や進めている取り組みを紹介します。

■事業概要
事業名:綴喜都市計画事業・田辺北土地区画整理事業
施行者:京田辺市田辺北土地区画整理組合
施行面積:16.25ヘクタール
地権者数:133人(組合設立時)

■スケジュール
令和5年10月:都市計画決定(市街化区域編入)
令和6年1月:京田辺市田辺北土地区画整理組合設立認可
令和6年11月:事業計画認可
令和7年度:仮換地指定
令和7~11年度:造成工事
※造成工事の完了後、進出店舗などが建築着工

■整備後のイメージ
◇店舗立地
地権者の土地活用の意向に合わせて土地を集約して換地し、生活を豊かにする多彩な業種の店舗立地を進めます。

◇シンボルロード
駅や既存の中心市街地と新市街地を結ぶルートで、ウォーカブルなシンボルロードとします。

◇文化ネットワークの拠点「複合型公共施設」
まちづくりの核として文化拠点となる複合型公共施設を整備します。

◇調整池

※イメージ図の詳細は本紙をご覧ください。

■定点で見る今と未来
開発エリアは、文化拠点となる複合型公共施設を核として、商業・業務・ホテル・住居などの都市機能の集約を目指し、地区の特性を生かした土地利用を誘導します。また、駅とのネットワークや既存の商業・医療と連携することで、中心拠点としての価値を高め、市民生活の質を向上させるとともに、府南部の交流拠点を目指します。

■シンボルロードはウォーカブル
「歩く」を意味する「walk(ウォーク)」と「できる」の「able(エイブル)」を組み合わせた「ウォーカブル」は、「居心地が良く歩きたくなる」を意味する造語です。木々や植栽を多く取り入れたり、電柱を地中化したりすることで、安全で快適な空間を確保します。また、建物をセットバック(後退)させるほか、広場と歩道を一体的に設けることで空間をつくり、屋外コンサートや路上パフォーマンス、マルシェ、オープンカフェなどのにぎわいを生み出します。

■安全・安心の治水対策
新市街地の整備も見据え、田辺地域などの治水対策が強化されます。計画されている取り組みを紹介します。

◇対策(1) 開発エリアに調整池を整備
新市街地の北東の角に調整池を整備し、豪雨時に雨水の地区外への流出を抑制します。

◇対策(2) 新西浜樋門の設置
従来の樋門に比べて4倍以上の排水能力を持つ「新西浜樋門」の新設や、防賀川から同樋門に流れる放水路の幅を広げる改修を進めています。

◇対策(3) 田辺排水機場の改築
豪雨により木津川の水位が上昇した場合、防賀川への逆流を防ぐために樋門を閉鎖します。行き場を失った防賀川の水を木津川に強制排水する「田辺排水機場」について、排水能力を倍増させる改築を進めています。