- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府大阪市港区
- 広報紙名 : 広報みなと 令和7年6月号
■南市岡地域
西区との境にある南市岡地域。尻無川沿いには瓦問屋が建ち並び、独特な街並みを形成しています。近年は大型マンションが建ち、子育て世代の姿も増えてきました。地域活動も活発で、地域活動協議会をNPO法人化するなど、先進的な取り組みも行われています。今回は、その中心で活動する宮﨑さんに、まちづくりへの思いを伺いました。
◇南市岡の地域活動の特徴
南市岡地域について、「ちょっと走れば校区外♪という歌があるほど狭いんです」と笑う宮﨑さん。地域がコンパクトなぶん、学校・PTA・女性会・こども会・民生委員など、さまざまな団体同士の連携が密で、協力しながらまちづくりを進めているのが南市岡の特徴です。
宮﨑さんはその連携の輪の中心で、地域活動協議会と『はぐくみネット』の広報の役割を担当しています。A3サイズの広報紙「かわらばん(はぐくみネット)」と「すき屋根ん通信(地域活動協議会)」を、10年以上にわたり毎月発行。「はぐくみネット」メンバーと協力し、情報収集から取材、撮影、デザインまでをすべてを自分達で行い、地域活動協議会の松井理事長も「地域のことに一番詳しいのが宮﨑さん」と太鼓判を押すほどです。
「はぐくみネット」では、トップアスリートを招いた体験授業など、ユニークな取り組みを展開。PTAや地域諸団体との共催で行う「ふれあい祭り」では、毎年恒例の焼き芋を出店しています。「焼き芋を始めた当初は、運動場を保護するための鉄板がなく、耐熱性に優れている瓦を敷いて「瓦焼き芋」として始めました。」と宮﨑さん。それも、瓦問屋が建ち並ぶ南市岡ならではのエピソードです。
◇「住みやすくて、やさしいまち」を目指して
また、地域活動協議会が令和元(2019)年に始めた『こども食堂』は、現在では子どもから高齢者までが集う『ふれあい食堂』に進化。地域の人たちが気軽に集える、大切な場になっています。提供メニューは、無理なく長く続けられるようカレーに固定。気兼ねなく利用できて、少しでもお母さんたちがラクできるようにという想いから実施しています。カレーは毎回約150食を準備。今年からは、こども会のメンバーも準備を手伝ってくれるようになり、協力の輪が広がっています。
PTA活動をきっかけに地域と関わり始め、約20年にわたって活動を続けている宮﨑さん。地域活動で大切にしているのは、「いろんな場に顔を出して、つながりをつくること。顔見知りになることで、自然と“行ってみようか”“手伝おうか”という関係性が生まれます」と語ります。業務も多く忙しい毎日ですが、それでも「広報紙を作るのも楽しいし、行事もやり終わったあとは達成感がありますね」と笑顔がこぼれます。
◇宮﨑さんが描く、理想の未来
宮﨑さんが思い描く地域の未来は、「住みやすくて、やさしいまち」。みんなが顔見知りで、お互いに声をかけ合える温かい地域を目指し、現在は認知症サポーター養成講座にも取り組んでいます。さらに、今後増えていく外国人住民についても、「地域の一員として同じ立場になれば、お互いにもっと暮らしやすくなると思います。南市岡は、そうしたことに対してわりとウェルカムな地域なんです」と語ってくれました。
◇宮﨑節子さん
大正区出身。結婚をきっかけに港区へ移り住み、PTAを通じて地域活動に関わり始める。現在は『はぐくみネット』や『南市岡地域活動協議会』の広報をはじめ、社会福祉協議会の見守りコーディネーターなど、多方面で地域に根ざした活動を続けている。