- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府大阪市住吉区
- 広報紙名 : 広報すみよし 令和7年11月号
住吉区では安全・安心で快適なまちづくりをめざして、さまざまな取組を進めています。警察の皆さんと、犯罪や交通事故が起こりにくくするための取組や、消防の皆さんと、災害に備えて地域住民が日ごろから防災・防火意識が持てるような取組を行い、地域と行政が一体となって安全・安心・快適なまちづくりを進めています。
住吉警察署長 林秀樹(はやし ひでき)
住吉消防署長 馬場賢治(ばば けんじ)
住吉区長 橘隆義(たちばな たかよし)
〔区長〕 歳末にかけて増加する犯罪や事故、火災を少しでも減らすため、本日は警察署と消防署の各署長より、住吉区の現状と区民一人ひとりができる対策についてお聞きします。
■犯罪の現状
〔区長〕 まずは、住吉区の犯罪発生状況について教えてください。林警察署長、よろしくお願いします。
〔警察署長〕 令和7年上半期の刑法犯の認知件数は714件(昨年同月比で62件増加)。なかでも特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺の被害額は区内だけで約3億円にのぼり、1件あたりの被害額も高額のため深刻です。特に注意したいのが、若者の被害が増えているオレオレ詐欺です。手口としては、警察官を名乗る犯人が携帯電話での通話やメッセージアプリなどを通して偽の逮捕状を見せて不安を煽り、預金残高の確認目的でお金をだまし取るものです。本物の警察官はSNSやアプリ上で警察手帳や逮捕状を見せることは絶対にありません。
そのほか、区内の刑法犯のうち7割を占める窃盗(うち半数が自転車盗難)にも注意し、自転車への施錠、できれば二重ロックをお願いします。また、性犯罪から身を守るためスマホなどのながら歩きを避け、特に夜道では周囲を警戒しましょう。
少年犯罪防止においては、薬物や闇バイトにつながるSNSの危険性を大人が充分に教えてください。
■交通事故の現状
〔区長〕 次に、住吉区の人身交通事故の発生状況について教えてください。
〔警察署長〕 令和6年は352件、令和7年上半期は182件(前年同月比で21件増加)です。区内どこかで1日1件の頻度で発生しています。特徴としては交差点等付近での出合頭事故が最も多く、うち自転車が関係する事故が半数以上です。改めて交通ルール遵守を徹底し、特に交差点では周囲を十分に確認してください。自転車乗車の際は安全利用五則を守りましょう。
◇安全利用五則
(1)車道が原則、左側通行 歩道は例外、歩行者を優先
(2)交差点は信号と一時停止を守って、安全確認
(3)夜間はライトを点灯
(4)飲酒運転は禁止
(5)ヘルメットを着用
来年4月から自転車乗車時の信号無視や携帯電話使用などの交通違反に対しても交通反則通告制度(青切符)が適用されます。事故防止のため我々も取り締まりを強化中です。
■警察署からのお願い
〔区長〕 犯罪の被害や交通事故に遭わないために、私たちがすべき心がけはありますか?
〔警察署長〕 まずはどのような犯罪や事故が多く発生しているのかを知った上で、日常生活の中で注意を払うことが重要です。最新情報は、住吉警察署や大阪府警本部のホームページのほか、大阪府警察のYouTube(安まち公式チャンネル、交通部公式チャンネル)などで随時発信しています。防犯や交通安全への意識を高めるためにぜひ閲覧・試聴ください。我々もパトロールや啓発活動を強化してまいります。
■火災の現状
〔区長〕 それでは、続いて馬場消防署長に伺います。住吉区における火災の状況について教えてください。
〔消防署長〕 令和5年の火災件数は25件、令和6年は26件、令和7年は8月末時点で18件(前年同月比で増減なし)と、ほぼ横ばいの状況です。大阪市全体の火災件数は、昭和36年の2,819件をピークに減少傾向が続き、平成27年には1,000件を下回り870件まで減少しました。しかし、令和3年の596件から、令和4年は643件、令和5年は707件、令和6年は721件と増加傾向を示しており、今後も注意が必要です。
■主な出火原因
〔区長〕 出火原因はどのようなものが多いですか?
〔消防署長〕 現在、大阪市で最も多い出火原因はたばこです。以前は放火が1位、たばこが2位でしたが、防犯カメラの普及や地域での見守り強化などにより放火が減少し、平成30年以降はたばこが1位となっています。その他に多い原因としては、電気配線類や電気製品、ガスこんろなどが多く挙げられています。
■消防署からのお願い
〔区長〕 火災を防ぐためには、どのような注意が必要ですか?
〔消防署長〕 日常生活の中で「火災につながるかもしれない」という意識を持って行動しましょう。喫煙後は必ず吸い殻を水で完全に消火し、寝たばこはしないでください。電気配線類については、家具による踏みつけや断線がないか確認しましょう。ガスこんろの使用中はその場を離れず、カセットこんろも正しく使用してください。冬季に利用が増えるストーブは、就寝時には必ず消して、寝具などへの着火を防ぎましょう。
また、近年はモバイルバッテリーなどリチウムイオン電池搭載製品からの発火事例も報告されていますので、製品を正しく使用し、衝撃を与えず、変形など異常があれば使用を中止してください。
さらに、万が一火災が発生した場合に備えて、住宅用火災警報器の設置をお願いします。火災警報器は火災の早期発見に有効であり、警報が鳴ることで周囲の人も素早く対応できます。設置済みのご家庭も定期的な点検や電池交換を忘れないようにしてください。
■三位一体となって
〔区長〕 住吉区は引き続き「誰もが安心して安全に暮らせる地域づくり」に取り組みます。警察署との連携としては、区内194箇所に設置した防犯カメラでの監視、青色防犯パトロールカーでの巡視、街頭での防犯キャンペーンのほか、地域での防犯教室などを随時行い、皆さんの意識向上を図ります。消防署との連携としては、今年5月に大変好評を得た住吉区女性防火クラブ主催の大規模訓練をはじめ、地域や学校主催の防災訓練などを行い、共助の強化をめざします。また、区役所にお越しの際は、館内放送で毎日発信する警察署、消防署からのタイムリーな注意喚起をぜひお聞きください。今後も三位一体となった取組で情報共有を行い、迅速に対応できる協力体制を強化していきます。
〔警察署長〕 治安の維持は警察の力だけでは成立しません。防火・防災を担う消防署、そして地域とつながり暮らしを支える区役所。それぞれ役割は違えども共通の目的に向かって手を取り合い、日頃よりご協力いただいている区民の皆さんのために、安心・安全・快適なまちづくりを進めてまいります。
〔消防署長〕消防においても警察との連携は必須であり、救急のみならず火災現場でも原因調査などのため協力して活動しています。また、防火・防災対策の推進のためには区民への情報発信が重要であり、区役所との連携も必須です。皆さんの命を守るために、三位一体となった取組に尽力いたします。
問合せ:地域課 3階36番窓口
【電話】6694-9840【FAX】6692-5535
