くらし 大阪・関西万博サブテーマ「いのちをつなぐ」ために北区ができること

■自分たちのまちは自分たちで守る!
◆中津地域2か所で「避難所開設訓練」を実施
6月1日、中津地域の避難所に指定されている中津小学校と大阪YMCAインターナショナルスクールにおいて、令和7年度中津地域防災訓練が実施されました。2か所合わせて約165名が参加、第1部は地域役員による避難所開設訓練が、第2部は住民の皆さんも参加して防災体験会が行われました。
「災害が起きた時、避難・救援活動の拠点となる避難所の開設や運営は、私ら地域の役目です。ただ避難所に集まるだけでなく、開設するところから訓練できてよかったです」と中津連合振興町会会長の花咲典之さんは話します。

▽アクションカードに従って
第1部の訓練は、避難所開設に必要な作業手順をカード形式にまとめた「アクションカード」を使って行われました。施設の門を開錠、安全点検を行った後に、開設の初期段階で必要な物品をまとめた開設BOXや特設公衆電話などを施設内の備蓄倉庫から取り出し、屋外に机や椅子を並べて本部を設置。区役所から貸与された無線やスマートフォンなどで区の本部に避難所開設を報告、避難者を受け付けて校庭に待機してもらうまでの訓練です。災害時、まずは地域役員が避難所に駆けつけることになっていますが、実際は誰が行けるかわかりません。顔ぶれが変わっても避難所開設ができるよう、誰もが使いやすいアクションカードの活用を進めています。

▽勉強会をやりたいと手を挙げた
訓練に先立ち、中津地域では地域活動協議会役員や町会長、女性部長などが集まり、半年間にわたって、計6回の勉強会を行いました。勉強会をやりたいと区に申し出たのは花咲会長です。「大淀西地域の防災の取組を知り、中津は遅れている、これではアカンと思いました。いっぺんにはできへんからちょっとずつ」。津波は淀川の堤防を越えてくると思っていましたが、実際は西側の陸地から浸水する想定であるなど、勉強会を重ねる中で新たな気付きもありました。

▽地域のつながりが命を守る
自分自身や家族の安全を守る「自助」、地域で互いに助け合う「共助」、そして行政が行う「公助」。災害の備えには、それぞれの役割を知ることが大切です。行政の支援や救援には時間がかかることも予想されるため、「自助」「共助」が果たす役割はとても大きいものです。女性部長の福岡聡美さんは「勉強会で『自助』の意識づくりの重要性を学びました。『共助』の拠点となる避難所も住民の意識の持ち方で変わります。地域全員で運営する意識を持つことが肝心です」と話します。
「もしもの助け合いの時、頼りになるのは地域の人。縁あって、私たちは地域で一緒に生活しています。日頃から顔見知りやったら、声掛けや会話もしやすいです。町会などをきっかけとした日頃のつながりを大切にしてほしいです」
⇒5~8面に保存版・防災特集

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