くらし 認知症を「自分ごと」に~チームで支え地域で暮らす~

■「ちーむオレンジ」12チームが活動中
認知症になっても自分らしく、できることをしながら住み慣れた地域で暮らしたい―。そんな思いを育み、支える場として「ちーむオレンジ」が誕生し、地域の掃除や見守り、喫茶、男性限定のワークショップなど12チームが北区内で活動中です。認知症の人が運営側に加わることもあり、当事者の反応などを踏まえて、工夫しながら運営を進めています。認知症に自分ごととして向き合う「新しい認知症観」という考え方が昨年、政府からも示されました。認知症の人もそうでない人も安心して暮らせる地域をめざします。

■毎朝の掃除と見守り
本庄東の団地を拠点に活動する「RSほんじょう」が開いた健康教室を訪ねました。高齢者から小学生まで幅広い年代が参加し、地域の方々の交流の場となっています。
発足して約3年。毎朝、団地周辺を掃除しながら地域の見守りを続けてきました。困った様子の高齢者を見かけて、認知症支援の専門職につないだことも。メンバーで企画を提案し合い、2か月に1回程度、イベントも開催しています。
デイサービスで長くボランティアをしていた西方千晶さんは、チームの立ち上げメンバー。「イベントは初めての人に出会うきっかけになります。次に会った時に挨拶できるつながりを作っていきたい」と話し、教室の後、「また来てね」と参加者に声を掛けました。同じく当初から活動する濵野年美さんも、「同じ地域に住む者同士、ちょっとした事でも助け合っていけたらいいですね」。

■居場所と役割があれば
医療・介護・福祉の専門職からなる北区ハートフルオレンジチームの津田愛さんは、認知症の方も安心して参加でき、共に役割をもって活動する「ちーむオレンジ」を増やしていきたいと考えています。「認知症になっても誰もが地域で暮らすには、身近に頼れる存在や、居心地のいい場所があることが必要です。やってみたいという思いをかなえるために、どうすればできるかを共に考えて活動する。役割や生きがいを感じられるつながりが大切だと感じています」

北区の「ちーむオレンジ」の一覧はこちら
※URLは本紙をご覧ください。

◇認知症かも?と思ったら1人で悩まずご相談ください!
・北区ハートフルオレンジチーム
【電話】06-4977-6444

◇2・3面に高齢者福祉特集

SDGsアイコン:3 すべての人に健康と福祉を