くらし 消費生活センターだより

■賃貸住宅 退去時の原状回復について
◇事例1
結露が発生したが拭き取るなどの手入れをしなかったら、壁紙の一部分にカビが生えた。退去時に壁紙の張り替え費用を請求されるのだろうか。

◇事例2
入居後間もなくシャワーヘッドから少量の水漏れがあったが貸主に連絡せずそのまま使用していた。数年後退去する際にシャワーの交換費用を請求された。入居すぐの不具合と主張したが、証拠がないと聞き入れてもらえなかった。

◇原状回復とは
賃貸住宅を退去するときの「原状回復」とは、入居時と全く同じ状態に戻すということではなく、借り主の故意・過失により生じたキズや汚れなどを元に戻すことをいいます。退去時に借り主は原状回復を行う義務を負いますが、経年劣化や借り主が普通に使用して生じた通常損耗などは、貸主が修繕費用を負担すると考えられています。

◇アドバイス
原状回復の費用負担は、原則、契約内容に基づくことになるので、まずは契約書を確認しましょう。請求内容に納得がいかない場合は、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考にして、貸主に説明を求め話し合いましょう。

◇退去時のトラブル回避のためのポイント
[入居前]
・契約前に契約条件をよく確認し、納得いくまで説明を受けましょう。
賃貸借契約において通常損耗や経年劣化の費用負担を借り主に求める特約が設けられている場合があるので注意が必要です。
・入居前にキズや汚れの状況を確認し、写真などを撮っておきましょう。
[入居中]
・不具合や故障があったら速やかに貸主や管理会社に連絡しましょう。
・日頃から清掃や手入れをしましょう。
借り主が住宅の手入れを怠ったり、不具合を放置したりすると、退去時の原状回復でトラブルになることがあるので注意しましょう。

問合せ:
消費生活センター相談専用電話【電話】06-6998-3600(平日 9:00~16:30)
消費者ホットライン【電話】局番無し188(土・日、祝日 10:00~16:00)