- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府大東市
- 広報紙名 : 広報「だいとう」 2025年7月号
「人権のひろば」に対するご意見、ご感想は秘書広報課または、人権室までお寄せください。
■心のバリアフリーの実現に向けて
「みなさん、バリアフリーという言葉を知っていますか?」
市内の公立小学校で実施しているバリアフリー教室では、子どもたちにまずこう問いかけます。
バリアは「壁」、フリーは「取り除くこと、なくすこと」という意味で、バリアフリーとは「妨げとなるものを取り除いてより生活しやすくすること」です。
◆体験を通して「困りごと」に気づく
バリアフリー教室では、車いすに乗ったり押したりする「車いす体験」、目隠しをして白杖を持って歩いたり、目隠しをしている人を誘導したりする「視覚障害体験」、車いすでバスに乗り降りする「バス乗車体験」、声を使わずに筆談や空書きで相手に伝える「聴覚障害体験」など、子どもたちにさまざまな体験をしてもらいます。
体験後には「体験できて良かった」「怖かった」などの感想を聞きますが、ただ感想を述べて終わるだけではなく、「どうすれば怖くなくなるか」「どこを変えたらそもそも困らないのか」「どんな助けが嬉しいか」という所まで考えてもらえるよう働きかけています。
◆優しさで広がるバリアフリー
例えば、車いすで上りづらい段差も、スロープがあれば上ることができます。電車が急な事故でストップした時、アナウンスが聞こえなくても電光掲示などがあれば情報を得ることができます。掲示物に英語や中国語などが併記されていれば、日本語が読めない人にも必要な情報を届けやすくなります。
このようなハード面の整備に加えて、点字ブロックの上に自転車を止めない、盲導犬を連れた人に「青になりましたよ」と信号の色を伝える、エレベーターではベビーカーや車いすの人を優先するなど、ほんの少しの気遣いでバリアはなくすことができます。そして、一人ひとりにどのような支援や配慮が必要か考え行動することで、無関心や無理解のバリアをなくすことが「心のバリアフリー」の実現につながります。
◆誰もが暮らしやすい社会のために
障害のある人や高齢者だけでなく、誰もが自由に行きたい場所に行け、安全で快適に暮らせる社会をめざすために、優しさがあふれる街になるよう、まずは「何かお手伝いすることはありますか?」と、声を掛けることからはじめてみませんか。