子育て 【特集】わたしたちの学校給食(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府東大阪市
- 広報紙名 : 東大阪市政だより 令和7年(2025年)7月号
子どもたちの成長に欠かせない「学校給食」。給食は、成長に必要な栄養を摂取できるだけでなく、望ましい食習慣を身につけるなど、さまざまな役割があります。
市では、今年度から全ての市立小学校・中学校、義務教育学校で学校給食費を無償化しました。これにより子育て世帯の負担軽減を図っています。
今回の市政だよりでは、未来を担う子どもたちの成長を支える「学校給食」を紹介します。
■体も心も育てる学校給食
小学校1年生と6年生の姿を想像してみてください。小学校の6年間で子どもたちはすくすくと成長し、また中学生になると部活動などに取り組むようになり、体もますます大きくなります。このように子どもたちの成長が盛んな時期には、特にバランスのとれた食生活が大切です。
学校給食は成長期にある児童生徒の心身の健全な発達を助けるものであり、児童生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養ううえで重要な役割を果たすものです。また、食事を通してよりよい人間関係や社交性も育まれます。
市では、栄養バランスを考えながら、安全安心でおいしい学校給食の提供に努めています。
▽ほっと一息つける時間に
学校給食にはさまざまな役割があると思います。例えば食事のマナーやルールを意識するきっかけになるのではないでしょうか。暑いときに給食着を着るのを嫌がる子もいますが、なぜそれが必要なのかを知ったうえで取り組むと、着られるようになります。“ルールを守る”という意識は学校生活を送るうえで大事です。給食の時間に学んだ感覚がほかの活動にもつながっていきます。
子どもたちは授業で頭を使ったり、体を動かしたり、たくさんエネルギーを使います。給食の時間は、ルールを守りながら、ほっと一息ついて、友だちと楽しめる時間にもしてほしいですね。
▽“食”の世界を広げてほしい
食べ物の好き嫌いは人それぞれですが、同じ食材でも調理方法によって食感が変わります。学校給食では、さまざまな調理方法で作るので、苦手な食べ物でもまずは挑戦してみてほしいです。においをかぐだけでもいいし、できたら1ミリメートルだけでもかじってみてほしい。ほんのちょっとを繰り返すうちに食べられるようになることもあります。食べて、「おいしい」と思えるものが増えたら、その子が生きていく中での楽しみが増えて人生がもっと豊かになると思います。子どものうちにできるだけ食の世界を広げてほしいですね。
意岐部東小学校 栄養教諭 武山 絵美里さん
献立作成や食に関する指導などを行います
■学校給食にかかる費用
市では、学校給食にかかる費用のうち、これまで保護者の皆さんに負担していただいていた食材費にかかる部分を無償化しました。
▽学校給食にかかる予算(令和7年度)
学校給食にかかる費用:約42億7282万円
・食材費など…14億1400万円〈無償化〉
・運営にかかる費用(施設管理費、人件費など)…約28億5882万円
※生活保護および就学援助受給世帯については、それぞれの制度において従前から無償となっているため、上記金額には含まれていません。
▽学校給食にかかる1人当たりの費用
小学校・中学校、義務教育学校9年間で約53万円(食材費相当分のみ)
小学生低学年(1年・2年)
(1)1食当たり給食費
235円
(2)1食当たり緊急支援費
(物価上昇対応分として学校給食緊急支援費を予算計上しています。)
50円
(3)給食回数
195回
年間給食費((1)+(2))×(3)
5万5575円×2年分
小学生中学年(3年・4年)
(1)1食当たり給食費
240円
(2)1食当たり緊急支援費
(物価上昇対応分として学校給食緊急支援費を予算計上しています。)
50円
(3)給食回数
195回
年間給食費((1)+(2))×(3)
5万6550円×2年分
小学生高学年(5年・6年)
(1)1食当たり給食費
245円
(2)1食当たり緊急支援費
(物価上昇対応分として学校給食緊急支援費を予算計上しています。)
50円
(3)給食回数
195回
年間給食費((1)+(2))×(3)
5万7525円×2年分
中学生
(1)1食当たり給食費
300円
(2)1食当たり緊急支援費
(物価上昇対応分として学校給食緊急支援費を予算計上しています。)
59円
(3)給食回数
178回
年間給食費((1)+(2))×(3)
6万3902円×3年分
合計:53万1006円
※給食回数はおおよその回数です。
■学校給食ができるまで
献立の作成や食材の選定などを経て、給食実施日の前日や当日に食材が納品されます。19校約8500食の小学校給食を調理する給食センターの作業工程を紹介します。
(1)検収
食材の品質や量、野菜の産地などを確認します
(2)下処理・切裁
野菜の皮をむいて洗ったり、食材を献立にあわせた大きさに切りそろえたりします
(3)調理
煮物、炒め物、揚げ物など調理方法に応じて調理します
(4)学校へ配送
クラスの人数にあわせて注ぎ分けた食缶をコンテナに積み、学校へ届けます
■ある日の献立(小学校給食)
学校給食では、子どもたちが1日に必要な栄養量の3分の1程度を、なかでも家庭での食事で不足しがちなカルシウムやビタミン類は必要量の2分の1程度を摂るように基準が定められています。
・コッペパン
・ハンバーグ
・フライポテト
・マカロニスープ
▽ごはん・パン
食事の中心となる食べ物です。主に「炭水化物」が摂れ、エネルギーのもとになります。
▽牛乳
主に「カルシウム」や「たんぱく質」が摂れ、丈夫な骨や歯など体をつくるもとになります。
▽おかず
野菜・きのこ・海藻などは、主に「ビタミン」「ミネラル」「食物繊維」が摂れ、体の調子を整えます。
肉・魚・卵・大豆などは、主に「たんぱく質」が摂れ、筋肉や血液など体をつくるもとになります。
◇献立づくりにかける思い
食材は一つ一つ栄養素が異なるため、なるべくたくさんの食材を使うよう献立を考えています。この日のマカロニスープにはセロリが入っています。苦手な食材でも、煮物やスープにすると食べやすいという声もあります。
食べ残しが多い食材でもあきらめず、調理方法を変えて提供し、子どもたちが挑戦できる環境を整えています。